お茶会です!
同性のお友達確保
ご機嫌よう。リンネアル・サント・エルドラドです。今日はお茶会を開催しています。
「初めまして、王女殿下。私はオムデネージュ家のレアナです」
「本日はお招きいただきありがとうございます。私はファータ家のミレアです」
「王女殿下。私はファンタズマ家のシータです。以後お見知り置きを」
正直…挨拶と顔と名前を覚えるだけで手がいっぱいです。まあ、ちゃんと覚えられただけいいかな。
フォルスは私の側に控えている。ノブル君はたくさんの女の子に囲まれて大変そう。レーグルは近寄ってくる女の子をさらりと躱してこちらに寄ってくる。いや、別にいいんだけど私は同性のお友達探しで忙しいよ?
「リンネ!お茶会楽しんでる?」
「うん、レーグルは?」
「うーん。なんか知らないけど女の子が寄ってくるのがなんか怖い」
「あー」
レーグル見た目いいもんね。自覚ないのかー。
「リンネは他の男に近寄られてない?大丈夫?」
「俺が守ってるから王女殿下は大丈夫だ」
「そう。なら良かった」
「王女殿下は同性のお友達確保で忙しい。しばらくノブル様の所で時間を潰して来い」
「…ちぇっ。リンネ、お友達見つけたらまた俺とも遊んでよ?」
「わかってるよ。また後でね」
同性のお友達探しって意外と難しい。前世ではどうやってたっけ。…ああ、確か。
「ミレアさん、ちょっといいかな?」
「はい、どうされましたか?」
「あの…趣味とか、ある?」
急に話しかけて迷惑かな、と思ったけどミレアさんはにこやかに対応してくれる。
「そうですね…読書とピアノが好きです」
「読書!例えばどのような?」
「そうですね…『サジェス家の人々』などでしょうか?」
「…!私も、あのシリーズは読んでいます!愛憎渦巻く昼ドラ的展開が面白いですよね!」
「昼ドラ…?」
「あっ。えっと、その、げ、劇のようで!」
「ああ!ふふ、そうですね。劇にしたら、面白いと私も思いますわ」
よしよし、いい感じじゃない?
「あの…ミレア様…ちょっとお願いが…」
「はい!私で宜しければ」
「その、と、友達になっていただけませんか!?」
「えっ…い、いいのですか?その…私は男爵家の者ですし、王女殿下に相応しいとは…」
「そんなこと!我が愛すべきエルドラドの誇り高き貴族であることに変わりはありません!それに、あちらには貴族ではない私のお友達もいますし」
「え?」
そっとレーグルを見る。レーグルは無邪気にこっちに手を振ってくれるので手を振り返す。なんかごめんね。
「貴族ではないお友達…王女殿下は、誰とでも仲良くなってしまわれるのですね。素敵ですわ」
ミレアさんは私に微笑んでくれる。
「では、よろしければ私もお友達にしてくださいませ」
…!やったー!
「はい、喜んで!よろしくお願いします!」
「こちらこそですわ。それと、王女殿下。…誇り高き貴族と言ってくださってありがとうございます。我が家は名ばかり男爵家と言うか権力も財力もない、歴史だけの家でしたから…光栄ですわ」
確かにファータ家はあまり名前を聞かない。ミレアさん、苦労してきたんだなぁ。
「私こそ、ミレアさんのような素敵な方とお友達になれて光栄です!」
こうして無事、女の子のお友達も確保出来ました!
確保成功