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久しぶりにヴァイス様に会えます!

愛しの王子様

ご機嫌よう。リンネアル・サント・エルドラドです。今日は、久しぶりにヴァイス様に会えます!


ということで、さっそく謁見の間でヴァイス様を待ちます。


「リンネ。お前もそこに座っておけ」


「はーい!」


ヴァイス様と初めて会った日と違い、今日はティラン兄様の玉座の隣に座って待ちます。後ろにはフォルスが控えていて、隣にはノブル君、レーグルが控えています。ノブル君はいつも通りにこにこで、レーグルは何故か面白くなさそう。フォルスは真面目な顔で控えています。…お友達も大分増えたなぁ。出来れば同性のお友達も欲しいんだけど…。


「同性のお友達をご所望か?」


「え!?声に出てた!?」


ティラン兄様が私の頭を撫でてくれます。


「ん。今度茶会でも開くといい。いいお友達が出来るといいな」


「はい!」


ということで、今度お茶会を開くことになりました!


「失礼します」


!ヴァイス様がきた!


「お久しぶりです。ヴァイスハイト・ファイン・ハイリヒトゥームです。ティラン・フロワ・エルドラド国王陛下におかれましては、ご機嫌麗しく」


「堅苦しい挨拶はいい。これからも同盟国としてよろしく頼む」


「はい、よろしくお願い致します!」


「それよりも、お前の本命はこっちだろう?」


私の方を向くティラン兄様。もう!意地悪な言い方して!


「リンネ。久しぶり。元気そうで何よりだよ」


「…っ!ヴァイス様!会いたかったです!」


思わずヴァイス様の元へ走り寄り抱きつきます。


「リンネ。ふふ、僕もだよ」


蕩けるような笑顔のヴァイス様。手紙だけのやり取りだったから、本物に会えて嬉しいです!


「…っ!王女殿下!」


「…?なに、フォルス?」


ちょっと困った様子で言葉を選ぶフォルス。代わりに、とばかりにノブル君が言う。


「リンネ様。婚前の男女が抱き合うのは、ちょっと…」


困った笑顔のノブル君。しまった!この世界じゃハグすらはしたないんだった!


「…っ!ご、ごめんなさい!」


しかし、ヴァイス様は残念そう。


「もっと抱きついてくれてもいいのに」


「もう、ヴァイス様!」


「見せつけておきたいからね」


?誰に?


「…君たちとは、初めましてだよね。僕はヴァイスハイト・ファイン・ハイリヒトゥーム。ハイリヒトゥームの王子だよ。リンネの『婚約者』だ。リンネ同様、よろしくね」


ヴァイス様は何故か婚約者を強調して言う。


「…王女殿下の護衛騎士、フォルス・トラディシオンです。僭越ながら、王女殿下の護衛のためご一緒させていただきます」


ふふ。フォルスったらすっかり護衛騎士様ね!いじめられっ子の面影もないわ。


「そうか。よろしく」


「はい」


二人はすぐに仲良しになれたようです。よかった。


「お初にお目にかかります。ノブル・ターブルロンドと申します。リンネ様のお話相手を務めさせていただいております」


「そう、リンネの。…これからもリンネをよろしくね」


にこにこ笑顔で握手をする二人。うんうん、みんな仲良しになれて何より。


「初めまして。俺はレーグル・オロスコープ。…ヴァイスハイト・ファイン・ハイリヒトゥーム王子殿下におかれましては、ご機嫌麗しく」


「うん。よろしくね。ところで君はリンネの何かな?」


「…今はまだ友達です」


二人は握手をしていますが、なんだか険悪なムードです。それをティラン兄様は面白そうに見つめています。いや、止めてよ!


「そう。言っておくけど、僕も本気だから。譲らないよ」


「気が合いますね、俺もです」


にこにこし合いながら何かを牽制しあっている二人。ティラン兄様は玉座で大笑いしています。笑ってる場合じゃないってば!


「もう!二人とも喧嘩しないでください!」


「はーい」


「ふふ。ごめんね、リンネ。わかったよ」


自然に私の頬へ手を寄せるヴァイス様。


「でも、婚約者が男に囲まれているんだもの。心配させて?」


「…!す、すみません!」


そっか、そう見えるよね!これで同性のお友達も連れてきてれば良かったんだろうけど同性のお友達まだいないし!私ったら!


「ふふ。リンネはなにも悪くないよ」


「ヴァイス様…」


「ティラン義兄上は意地悪ですね」


え?


「ん?何がだ?」


にまにましながらヴァイス様を見つめるティラン兄様。まさかわかっててなにも言わなかったの!?


「ティラン兄様!」


はははははと笑うティラン兄様。もう!


「ティラン義兄上はよほど僕にリンネを取られるのが面白くないのですね」


「可愛い妹だからな」


「だからといってさすがに男ばかりをリンネに近づけられると困ります」


「俺に言われてもなぁ。美しい花に虫が近寄るのは道理だろう?」


…。ティラン兄様、絶対わざと煽ってる。


「もう!意地悪しかしないならティラン兄様なんて知らない!ヴァイス様、みんなも行こ!」


また玉座で高笑いをするティラン兄様。もう!


「では、失礼します。ティラン義兄上」


「…ああ、束の間の逢瀬だ。楽しめよ」


「もう!変な言い方しないでよ!」


「ははははは!」


…その後ティラン兄様以外のみんなでお茶会をしました。うーん。やっぱり同性のお友達が欲しいなぁ。

束の間の時間

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