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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

女助鳴(おなすけなき)

作者: 星の前奏曲

「今度援交しに行ってくれ」


(何言ってんのこの親父は)


「それ本気で言ってんの?」


「俺が冗談を言ったこと今まであるか?」


「ないけど...」


「財産が底をつきそうなんだ。これは命令だから拒否権はない」


なんでこんな親父の下に生まれたんだよ…


私は花湊 千美は町内のお屋敷に住むお嬢様。顔は中々いいけど笑お嬢様っぽくないとよく言われる。

最近花湊家は色んなピンチを抱えていると女中から聞いていたが、ここまでヤバかったとは…


「いつから行けばいいの?」


「明日からで相手が気が済むまで」


「ホントにあんた父親かよ!」


「仕方ねーだろ。花湊家の存続の為だ。我慢しろ!」


平成になっても娘は所詮駒にすぎない主義ですか…


呆れた


「相手は中野絵さんだから」


これはまた最悪。県内一の財産家だが、キモイ、エロい、クサイのクソ親父。それがたまにキズと言うよりは、金稼ぎのうまさしか長所がない。


そんなところに行けばいいの?奴隷化されるのはもちろん、多分永遠に帰って来れない説もある。


「分かったよ。行ってくる」


私は不満満載の口調で吐き捨てて後にした。

これが私の出来る最大限の抵抗だから。



翌日、中野絵のおっさんの性奴隷化とした私は、学校も休み、薄暗い部屋の中でおもちゃになった。


痛い、気持ちいい、苦しい、辛いの感情は肌に触れるほどしか感じず、もはや生きている人形に私はなってた。


終わりのない慰め


花湊家に生まれた地点で諦めている私は今更絶望も感じない。早く終わって欲しいとも思わない。ただ腰を無感情で振る日々が続くだけだった。


中野絵は夜の行為が終わったら、必ず私に麦茶をくれる。しかしその麦茶には睡眠薬が少量入っており、薬で眠らされている間も彼のおもちゃ化とする。


何月何日も分からないある日、いつもの行為が終わり、また麦茶で眠った。その日は彼の出張で、もちろん移動中ずっとおもちゃにされる。麦茶を飲んだのが帰る時だった。


目を覚ましたのは冷たい山風。簡易台車の上に私は1人でいた。

どうやら捨てられたようだ。おそらく『いつ帰れるが か分からない』はその時の嘘だ。あの親父は私を売った。

やはり主は娘でさえ駒としか見ないから、無条件で受け入れてくれたおもちゃも飽きてしまったようだ。


「ここは...どこ?」


霧のかかる山は静かを誘う。

コトン


「.......え?」


どうやら私は急な坂の途中にいたらしく、少しの振動で台車が動き始めてしまったようだ。


「嘘だ.....助けて.....助けて!!」


今気づいた。体が縄で縛って身動きが取れない。


「助けて!!.....助けて!!」


私は人形じゃなかった。絶望に陥っていた少女だった。身体的に、精神的に麻痺してただけ。


「助けて!.....助けて!」


車はどんどん加速する。






『助けて.....助けて!』


「嘘、でしょ?」


千美が裸で縛られて車に乗せられている?


彼女が行方不明になってから3ヶ月。昔彼女かの私、他の幼なじみ4人で遊んだ秘密基地の奥に進んだところで彼女を発見した。

最初は驚きで体が凍ったが、彼女の叫びで解凍した。

「今助けに行くよ!」


そう叫んで台車が通過した方向を見つけて追いかける。

しかし重力には叶わない。


『早く助けて』


その声が虚しく山に響くだけだった。


やがて鉄の臭いがして追いかっけっこは終わる。

私は腰を抜かした。刃物みたいな岩を境に、頭と胴体が離れていた。恐らく身を投げられて、運悪く首の落下地点があの岩だったのだろう。


しかし私はそれだけでは抜かしてない。

なんと死んでしまったはずの彼女の口は末だに「助けて!」を叫んでおり、目はこちらを睨むかの目付きをしていた。


「おーい、大丈夫か〜?」

「千美ちゃんの声が聞こえた気がするけど〜」


他の2人がやってきた。


「あぁ、あなた達」


『嘘でしょ?千美...ちゃん』


変わり果てた首を見て絶句をしてしまったらしい。

彼女は未だに「助けて!」と叫んでいる。


これは生命が続いている訳ではない。呪いが口を動かしている。

それを察した私達は、悲しみよりも恐怖がこみあがってきて、

(早く逃げないとまずい)

と思った時は市街地方面に走り始めた。

しかし赤まみれの首は私達を追うように転がってきた。


『助けて!助けて!タスケテ!タスケテ!』


気が狂いそうな呪文。


耐えなくなった私達は、近くにあった使われてない花壇の中に彼女を埋めた。最初に首を入れて、後から胴体を。

勝手にお墓を作ってしまったが、そもそもここは人が全く来ないし、彼女の安否はお父さん達が揉み消してしまっているので警察も動かないだろう。


彼女を埋めるさい、彼女は抵抗したり文句を言ったりしなくて、やはり「助けて」としか言わなかった。そして土のしたに言った彼女の言葉はもう聞こえなかった。


そして私達は二度とここには来なかった。あの叫びが脳裏にくっついて、行ったら呪われる。本能がそう語っている。


いつしかあそこは花壇墓、死の下り坂、首斬岩と言われ、まとめて女助鳴と言われる地域になった。










「なぁ、ここが女助鳴か?」

「そうだよ、花壇墓、死の下り坂、首斬岩の3つをまとめて言うんだ」

「やっぱり出るのか?」

「あぁ、女の子の霊が出るらしい。ある時はキレイな状態、ある時は首なしの状態、そして首だけの時」

「それマジでヤバいだろ」

「墓さえ荒らさなきゃ大丈夫」

「そういえば大学生のグループが遺体で見つかったのもここだよな」

「噂によると、墓を漁ったらしい。だから何もしなければ、霊は見れて生きて帰れる」

「そんな都合のいい心霊スポットあるのかぁ?」

「その代わり、ずっと『助けて』と聞こえて、その場を離れても脳裏に焼き付くらしい。それで精神的に参って自害する人もおるらしい」

「普通にやばいやん」

「さ、話はここまでにして、そろそろ行こうぜ」

「そ、そうだな」









『...............................タ...ケテ.......タスケテ......』

これからも短編で、僕の見たいい意味でも悪い意味でも印象に残った夢を小説化して投稿しようと思います。

夢の中では、リアルにいる人物や、アニメ、ゲームのキャラクターがメインで出てきます。それをそのままやると、間違いなく気分が悪くなる人が出るので、ここでは全てオリジナルのキャラクターで書きます。

このシリーズは続くか分かりませんが、次の主の夢に期待してください。

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