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18 身近な存在

更新遅れました!

すみません!!!

あと、最近よく感想欄で幸は結局病気なの?などのコメントが送られてきますので予め言っておきます


幸のことは後日公開する予定のつもりでいたため、気長に待っていてください

今日もいつものように、僕は食堂でオムライス(大盛り)にかぶりついた。

僕は敢えて人気のない端っこで食べていた。なのに、そこに裕也が来た。


「よぉ、またそんな所で食ってるのかよ。悲しくならねぇかよ?」


「僕はここがいいんだよ。だから悲しくもなんともないし、むしろお前が来なかったらパラダイスだった」


「ひどいこと言うなぁ......亘にとって俺はそんな邪魔者だったって訳なのか?」


そうやって、いかにも「そうじゃないよ!」と言ってほしそうにこちらに視線を向ける裕也だったが、僕が完全に興味を無くしてオムライス(大盛り)だけを見ていることに気がついたのか、黙って隣の席に座った。


「いただきます」


「誰がここで食べていいって言ったんだよ」


「ここはお前の家じゃないんだから、俺がどこに座るかってのは俺のかってだろ」


「はぁ......分かったよ」


僕はまた1口、オムライス(大盛り)を口に頬張った。


「あれ? 亘さんと裕也さんだ」


聞き覚えのある声と足音に凄く嫌な予感がした。


「なになに、昼ご飯一緒に食べてんの? 仲良しだねぇ」


「そっちだってそんなに変わらないだろ。それに僕が望んでこいつと食べてるわけじゃないよ」


「またまたぁ、そんなこと言ってぇ。ねぇ、琴音あんたはどう思う?」


「えっと......な、仲良いんだね」


琴音さんは僕と目を合わせようとはしなかったが無理もない。あんなことがあったんだから。


「あ、そうだ! 俺二人に謝らないといけないんだった。この間はごめん! 俺飲みすぎたみたいで......」


裕也は、申し訳なさそうに軽く頭を下げた。あくまでも食堂なので、周りに注目されない程度の大きな声でそう言った。


「あ、気にしないで。私も琴音も気にしてないから。ね?」


琴音さんは「うん」と軽い返事をしてから、遥さんに「行こうか」と一言をかけた。

ナイスファイトと言ってやりたかったが、それを言うとめんどくさくなるので、心の中だけでそう言ってガッツポーズをした。


「えぇ、いいじゃん。折角だしここで食べよ」


「そうだよ、琴音ちゃんもここに来て食べなよ」


終わった......。琴音さん自体も友人の誘いが断れず、人生が詰んでしまったような顔をしていた。

しかも、裕也が指した席はまさに僕の隣だった。

琴音さんは「はい......」と軽くてとても重い返事をして席に着いた。

なんでこんな日によってオムライス(大盛り)にしたんだと後悔したけど、今更遅い。


「「「いただきます」」」


僕以外の3人が口を合わせてそう言うと、裕也は僕と同じオムライス(大盛り)を、女性陣は個人で用意した弁当を食べていた。

少し疑問に思ったことがあったが、その疑問をいちいち僕は質問しなかった。

なぜなら、裕也が質問してくれると分かっているからだ。


「その弁当って自分で作ったの?」


ほらね、こいつはこんなやつだ。僕と繋がってるの? と言いたいくらいにいつもピンポイントで当ててくる。


「はい、これは私が自分で作りました」


「うん、私も自分で作ったよ」


「へぇ、二人ともすごいなぁ。俺も亘も料理なんてできねぇからこうやってオムライスを頬張ってるんだよ」


「バーカ、料理くらいできるわ。僕はここのオムライスが好きだから作ってないの」


「あぁ、そういえばお前にチャーハン作ってもらったことあったなぁ。しかもめちゃくちゃ美味いやつ」


「へぇ、やるじゃん亘さん」


「まぁ、普通のことだよ」


「きぃー! 俺は普通じゃないって言いたいのかよ?」


「まぁ、そうなるね」


「なんだとー!」


「......ぷ」


声のした先を視線で追いかけると、琴音さんが必死に笑い堪えていた。


「なんで、琴音笑ってるの?」


「だって、おかしいんだもん」


彼女は、今度は堪えずに笑いながらそう言った。

彼女の笑顔につられて僕達もいつの間にか笑っていた。


その笑顔と周りの雰囲気を温めてくれる人が周りにいることを懐かしく感じた。

6年前もこんなやつがいた。いつも明るくて、でも、少しだけ何でも自分で抱え込んでしまう僕の1番身近な存在で。


6月4日 午後12時43分 21歳

これからも不定期更新ですが、よろしくお願いします!

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