黒曜拳二(コクヨウケンジ)
人によっては不快になる内容かもしれません、予めご了承ください。
黒曜拳二は、真っ当な人間ではない。人の命を奪うことを生業とする殺し屋である。自身が所属する指定暴力団坂口組にとって邪魔になる存在を、敵味方問わず排除する役割を担っていた。昨日まで一緒に働いていた人間を翌日に表情を変えずに殺すことの出来る男、周りからは快楽殺人者だと噂されている。しかしそれは違う、彼は望んでこの役に就いているわけではない。
黒曜拳二は、学生時代風俗店の男性スタッフとして働いていた。有り体で言えばボーイといわれる仕事だ。彼はアルバイトにかまけて学校へあまり行かなくなり気付けば学校を中退、両親にはその日のうちに勘当された。
ここで反省すればまだやり直す事が出来たかもしれないが、彼はアルバイトを続けそこで伊藤三叉と出会う。その頃伊藤三叉は子分を欲しがっていた。そんな時に黒曜拳二と出会った。伊藤三叉からすればその辺の若造に声を掛けたに過ぎなかったが、黒曜拳二にはそれが運命的なものに感じられた。
黒曜拳二はかくして指定暴力団坂口組の一員となったのであった。その後仕事で大きな失敗を犯し、責任を取る為に『汚れ』と呼ばれる殺しの仕事をすることとなった。その時の彼の手際が良かった事が災いし、気付けば彼は殺し屋として扱われる様になる。
側から見れば面白い様な転落人生だ。学校を辞め親に縁を切られ暴力団に入り人を殺し続けている。
黒曜拳二は死後の世界というものを信じていないが、仮に地獄が存在するのなら彼はそこの住人の資格を持ち得ているだろう。




