第1話
作者はこれが初の作品なので誤字脱字やら、違和感のあるシーンなどどしどし言ってくれると助かります!
物心ついた頃にはもう親は居なかった。
ストリートチルドレンとして、スリや盗み食いなどして生活するので手いっぱいだった。
そんなある日、食べ物も無くなってスリをする体力もなくなった私は、ゴミ捨て場で残飯を漁ろうとしたけど、何も見つからなくて倒れ込んでしまった。
仰向けになって
(もう、何でもいいや)
と思って暗い宇宙を見上げてたら、石畳を硬い靴の音を鳴らしながら通り過ぎる人がいた。
その人は、通り過ぎざまに私の顔を見て通り過ぎ去ろうとした。
その時、彼が足を止めて何かを呟いた。
そして彼はポーチから取り出した携帯食糧を差し出して、
「ねえ、どうしたんだい」
彼は私にそう囁いたが、空腹のあまり反応を返すのも億劫であった。
そうしてしばらく見つめあっていると、お腹がくぅと鳴いたので彼は笑って、
「今日はあまり良いものを持ち歩いてないけど...これ食べるかい?」
私は頷きひったくるようにしてそれを食べた。
私が噎せながらも必死になって食べる姿を見て彼は表情に微かに苦味を滲ませたかと思うと、それを取り繕うかのように笑顔を向けて、
「ついて来てくれれば、もっとたくさんのあったかいご飯を食べさせてあげられるけどくるかい?」
差し出された手を私はそっと握った。
彼はそれをしっかりと、2度と離さないというかの如く握り返すと私を起こしてそのまま私を連れて行った。
それから彼はルーデンス・カルディナスと名乗り、私に名前を聞いてきた。
知らないと否定を示すように首を左右に振ってみせると、
「じゃあ、僕が名付けよう。」
何かを振り切るかのように少し声を張り上げて、彼は、
「その目は満月のような目だし、古き民の言葉で月を表すルナって言葉があるんだけどそれじゃダメかな。」
と言い、私はそれに頷いた。
そうして彼と共に生きる日々が始まった。
彼に連れられて入った家は積み重なった機械部品で雑然としていたが人の温かみのある家だった。
そこで彼は物の読み書きや、世界の事、身近な事など色々教えてくれた。
ある日は、2人してスラムの周辺にあるガラクタを漁って使える物を探して。
またある日は、機械の修理をする彼の傍らで機械について質問責めをして彼を困らせた。
6年ほどたったその日、何時ものようになかなか起きてこない彼を起こすために二階へ向かうと、普段とは違い彼はすでに起きていて何かの支度をしていた。私に気がつくと彼は、
「ルナ!引っ越しするよ!もうここには住んでいられない!」
そう何かに急かされるように慌てて彼が言った。
その様子に不安を覚えて、
「ルディ、なんでそんなに急いで引っ越さなきゃならないの?」
と聞くと、
「いまは何も聞かないで準備して!」
と言うので、急いで準備しているとドアを乱暴に強く叩く音がした。
そしてひどく耳に触る声で、
「カルディナスさぁぁん?金眼がぁ此処にいるって噂があるんですけどぉ、拾ったっていう子と合わせてもらえませんかねえぇ!」
と声がした。
「仕方ない、ルナこれを持って地下の倉庫に行きなさい。右から2番目のタンスの奥に扉があるからそこから逃げなさい。」
「え…」
「急ぎなさい!早く!」
放り込まれるようにして地下に行くと上から言い争う声が聞こえてきた。
(ここには俺の他に誰もいない!)
(そんなわけねえだろ!俺の部下が奴がいることは確認してるんだよ!)
(そいつが嘘を付いてるに決まっている!)
(ハッ、言うに事欠いてそれかよ、こんな奴が近衛艦隊の元艦長さんとは思えねえなあ!)
(なっ!)
(バレてねえとでも思ったか?上は船さえなければ大したことはできねえから見逃してたようだが、妙ちきりんなガキを拾ったって話が来てなぁ!しばらくは放っておいたが金眼ってぇ噂があるんじゃあ見逃しておけねえよなぁ!!)
(…だった…どうだとい…んだ)
奥に行くに連れて諍いの声は小さくなって行く
(旧……の証……………金眼…け…捕まえ………………なあ!)
(さ…るか!)
その声が聞こえてから大きな音がしたと思うと何人もの足音が響いてきて私は慌てて逃げ口から逃げ出した。