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大将軍

ここまて見てくれた皆さんすみません。セシリア12歳にします。

ちょっと大人びてしまいました。

次の日、徹は朝早く置き、新・兼光を振っていた。

もともと、疲れにくい体であるため、いくら鍛錬し続けてもいい。

そのため、今日の朝の早い内から新・兼光を使い、鍛錬をし始め剣技(下)を習得していた。

徹は、剣技(下)を覚えたお陰で、違和感のない程度の剣技が出来るようになっている。

鍛錬のあと、荷支度を済ませ、その後、盗賊たちを確認しに行った。

大量の盗賊たちのため、問題がないか、終始気になっていたからである。

「(恐らく、大丈夫だと思うが、村を出る最後に、盗賊たちの縄のチェックをしておこう、俺が出た後から騎士団がつくまでの間に何かあったら大変だしな)」

チェックをしたが、特に問題はなかった。その為、村の入り口付近に移動し、セシリアを待った。

そうこうしているうちに、準備をしたセシリアとテウさんを含め村人たちが出てきた。徹はすぐに、クリーンの魔法を自分にかけ、みんなを迎えた。

「トール様ーー!」

「テウさん・セシリア・皆さん」

「お見送りにまいりました。これから、帝都への旅ですが、いろいろ大変だと思います」

テウさんがそういうと、旅に必要な荷物を用意してくれてたのか、荷物を徹に渡した。

「ありがおとうございます(恐らく、テントに、食料と水とか、あといろいろだなぁ)」

「旅の道具とタンザスまでの食料と水です。本来であれば、馬車を用意し、お渡ししたかったのですが、もともと村に馬がおりません。ここから二日ほど行ったところに、タンザスの街がございますので、そこで馬をお買い求めください。ささやかながらですが、これぐらいはお持ち下さい。恐らく、老馬なら買えるでしょう。もしかしたら、老馬の方が道を知っており、目的地には早くつかもしれません」

「何から何まで、ありがとうございます」

徹は、荷物と金銭を受け取った。そのあと、セシリアも村人たちにお礼を言って回っていた。村とは名残惜しいが、騎士団と会うと面倒かもしれないので、話を切り上げ、村を旅立った。

歩く途中、

「タンザスまでは二日と聞いた。きつくなったら言ってくれ。必要であれば負ぶってやるから」

「トール様、私のような奴隷にそのようにお気を使われなくてもいいのに、ありがとうございます。お気持ちだけ頂きます」

「普通、子供は甘えるもんなんだよ(このパラメータじゃなかったら今の言葉は言わなかったかもなぁ(笑)、いや、男、田中徹、地球でも同じことを言ったさ!)」

「わかりました」

セシリアはにニコッと笑った。

徹は、カンザスへ行く道にいろいろと楽しいことを話した。セシリアから話を聞けばうれしい話やよかった事は出てきにくいだろうと思ったからである。

その中で、セシリアは徹の話を興味津々に聞いたり、笑ったり、していた。セシリアの徹を見る眼差しは、どこかしら、憧れのものを見るような感じだ。そのような話をしていると、後ろの方から、騎馬の足音が聞こえてきた。

徹は思った。あれは、駐屯地から来た騎士団だ。後ろを振り向くと漆黒の馬に漆黒の鎧を着ている騎士たちが馬に乗ってこちらへ向かっている。その足取りは遅いが、こっちにはセシリアがいるためさらに遅い。徹は焦ったが、考え直したら、自分はいいこと以外何もやっていないから堂々と行こうと腹をくくった。そうしている間に、騎士団は、こちらに追い付いてきた。

「おおい!お前らいトトルの村から来たのか?」

大男がでっかい声で徹たちに話してきた。

「いいえ、旅をしているものございます」

「そうか!人違いだったか!!引き留めて悪い悪い!」

男は、恐らく、40過ぎぐらいだろう。体長は2メートルぐらいあり、背中に大きな薙刀を持っていた。鎧は全身黒。兜はかぶっていない。顔はきりっとして、ひげが生えている。右目には縦型に切り傷が入っている。

「いやーこの村の近くに大盗賊ジャッカルをとらえたやつがいたと聞いてな。その男に会えたらいいなと思っていたのだが、俺が行った頃には、村を立った後だった。いや~残念。できれば一勝負したかったな」

すると、少し遅れて騎士たちが数騎かけ寄ってきた。

「ザノバ大将軍!!また、一騎で前に出られると、我々が困ります!!」

騎士の一人が大声で大男に話しかけた。

かなり怒っている。

「プランター!またお前か!たまには自由にさせてくれ!」

大男は困った顔になり、頭をかきながら言い訳をしている。

「大将軍がそうでは隊が乱れます!おさがり下さい!」

「わかったわかった。そういっている間に、隊が前列が追いつい来ただろう。これで良し!」

徹は帝国の大将軍の強さが気になったが、それよりも、フレンドリーな性格に驚いた。

「(悪い人たちじゃなさそうだな)」

ザノバは徹たちと話した後、プラントににらまれながら、隊に戻っていった。

「すまん、旅人たちよ。大将軍が迷惑をかけたな。ちなみにおぬしらどこ行く?」

プラントが徹に話しかけてきた。

「タンザスまで参ります」

「そうか、よかったら荷台に乗っていけ!子供も一緒ならそれがよかろ。我々もタンザスに向かう予定だ。あまりにも盗賊が多すぎてタンザスの収監所に連行することになったのだ」

「それは大変ですね(どおりでね。会うわけだ)ありがとうございます」

「おう!」

そう言うとプランタは将軍の元へ戻っていった。

その後、徹は、馬車の荷台に乗せてもらった。そこには、同じく黒の装備を着た兵士たちがいた。大将軍やプランタと違い、簡易な装備なので一兵卒だろう。

「プランタ様にこちらに乗っていいように言われたのでお世話になります。トールと申します。こちらはアリシアです」

「おねがいしましゅ」

「(いま、噛んだな)」

「おう早く乗れ!乗れ!」

「よろしく!!」

兵士たちは非常に好意的だった。

取っつきにくい容姿はしているが、皆気さくだ。

徹たちは安心して馬車の荷台へ乗り込んだ。

そして馬車は進んでいく。

「(吹き抜けてくる風が気持ちい。恐らく、夏前だろうか?)」

馬車は、天井と壁がないため、風を感じる。後ろを振り返ると盗賊たちが、縄につながれ引っ張られているのに気が付いた。

「(盗賊達あそこにいたのか)。セシリア大丈夫か?」

「大丈夫です!平気です!」

セシリアは以前より元気になってきた。徹は安心した。

しかし、すこし、気になっていたことがあったので徹に兵士に話しかけた。

「騎士様、先ほど大将軍と話をさせていただいたのですが、すごく気さくなかたですね!また、配下の方もお優しい。どこかの大貴族様なのでしょうか?」

徹が兵士たちに話しかけると、兵士たちは顔を向け合いそして笑い出した。

「「「「「ははははは」」」」」

「俺たちが騎士!?違う違う、おらは、平民だよ!ちなみに、あいつらは奴隷だけどな!?」

徹が声をかけた兵士は、近くにいた兵士たちを指さした。

そして、その奴隷兵士は、

「うるせーーよ!「うるせー」」

と叫んだ。

「みんな仲がいいんですねー」

「あぁーみんな大将軍に助けてもらった奴や大将軍が好きなやつらばっかりだからな。奴隷のやつは買い取ってもらった奴らばっかだ」

するとほかの兵士が

「大将軍は怒るとおおかねぇが、仲間思いだ。それだから。慕ってるものも多い。そういや、大将軍はもともと名誉貴族の出といっていたか?坊主の貴族ってのはあたってんな、大将軍が貴族か。「「「「あはははっは」」」」」

そうこう話していると、馬が駆ける音が聞こえてきた。

噂の大将軍が一騎でこっちに向かってきたのだ。

すると兵士たちは、不安定な馬車の中、すぐに立ち上がり

「「「「「「「「「大将軍!」」」」」」」」と叫び、敬礼をした。

すると大将軍も敬礼をし、すぐに敬礼を解いた。

「休んでいいぞ!」

「「「「「「「ありがとうございます!」」」」」」

すると兵士たちは座り、また、談笑をし始めた。

すると大将軍は徹に話をかけてきた。

「おおぅ!旅人、荷台に乗っていたのか!プランタから話を聞いてこっちに来てみたんだ!」

「お気遣いありがとうございます。大将軍」

「いやぁ、一つ気になったことがあってな、お前が持っている剣それ刀だろ」

どうも徹の武器が気になったので見に来たようだ。

「そうです」

「それもかなりの一品だな・・・本当にお前何者だ?」

大将軍は徹を睨みつけた。

一瞬、大将軍の厳しい視線に動揺したが、ここは、ひいてはいけないと思い、徹は言葉を発した。

「いえいえ、今はしがない旅人です。しかし、今度、タンザスの街へ行き、冒険者登録をして、いっちょ儲けてやろうと思っています」

すると、先ほどまで厳しかった表情が急に緩んだ。

「そうだったか!冒険者になるのか。色々聞いて、悪いな。わかった。お前とはまたどこかで会えそうだな。その際は、お前が気づいたら、お前から声をかけろよな!わかったか!」

「はい(無茶ぶりやな!俺は平民であんたは大将軍だっての)。光栄です。声をかけさせていただきます。」

「おう!」

徹と大将軍が会話をしていると、大将軍の目線が、盗賊たちの方へ向いた。一人、盗賊が逃げ出したからだ。逃げ出した盗賊は、隊を離れ、森へ逃げ込もうとしている。大将軍はそれに気づいたのだ。すると大将軍は、間髪を入れずに、

「第3隊、弓を構え、、撃て!」とすぐに言葉を発した。

その言葉に合わせ、先ほどまで馬車の上で談笑していた兵隊たちは直ぐに立ち上がり、大将軍の「撃て!」という言葉と同時に矢を射っていた。

その矢は、盗賊の背中にすべて命中していた。

徹はその統制された軍の動きを見て驚いた。なんていう一体感。馬車の上からの正確な射撃。矢を射つまでの時間の短さ。日本に居たためか、軍人という言葉からは遠い生活をしていた。改めて軍とはこういうものなのかと知った。

徹が感心していると、その時、先ほど矢を射られた盗賊は、少しだけ動き、徹たちに聞こえるか聞こえないかぐらいの声でこう言った。

「ただ。。。腹いっぱい。。。飯を食いたかっただけだったのに。。。」

そういって絶命した。

徹は衝撃だった。あの盗賊は飯が食いたかっただけだったのか?そんなわけないだろうと思いつつ、この世界がよくわからなくなってきた。

しかし、同じくその言葉を聞いた、盗賊も兵士も何も言わなかった。

その後、大将軍が、

「よくやった。俺はまた、元の隊に戻る。休んでいいぞ」といい、兵士たち敬礼をした後、素早く敬礼し、また、素早く敬礼をやめ、隊に戻っていった。

そのあとの荷台は、ほんの少しだけ空気が重かった。


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