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ラトラタ到着・発見!クレイエイトゴーレムの書

「トール様、ラトラタが見えてきましたよ」

セシリアが御者台へつながるドアを開け、徹たちにラトラタが近いことを知らせてきた。

それを聞いて、徹は立ち上がり、ドアへ向かい、そこからラトラタを眺めた。

「あれが、ラトラタか、立派な城壁だな」

徹たち一行は、ラトラタ近郊まで来ていた。

ここまでくるとラトラタの城壁もはっきりと見えている。

あれから、数日が経ったが無事たどり着いた。

途中、レットウルフ達に襲われたが、問題なく撃退してきた。

エレナとレイのお陰も大きい。

しかし、やはり、以前に比べてモンスターの数は増えているようだ。

馬車の中に座っていたレイも立ち上がり、徹へ話しかけてきた。

「トールさん、本当にここまでありがとうございました、一時はどうなることかと思いましたが、お陰様で無事につくことが出来ました」

隣に座っていたレイが徹にお礼を言ってきた。

「いや、全然、こちらこそ楽しかった。それに、いろいろなことを教えてもらったから、勉強になったよ、こちらこそありがとう」

徹は、照れるようにレイに礼を返した。

徹がこう照れるのも、レイは徹の距離感が近い。

徹の目線の角度からレイの豊満な谷間が見えている。

この数日の間、レイは徹のそばいることが多くこんな場面はしょっちゅうあった。

徹自身、レイの美しさ、スタイルの良さは、どストライクであり、レイを見るその視線は時々いやらしい。

「(これはわざとなのか?見てはいかん!こういうのがセクハラと言うんだよな)」

徹は、自分を心を律し、平常心を保っている。

「いかん、いかん、薬の調合をしなければならなかった」

徹はわざとらしく、せき込み、足早にソファーに座り、目の前の薬草を調合し始めた。

知識がない徹が適当に調合しているので、何ができるかわからないし、今までも大したものは出来ていない。

「(これは、ちゃんと習わないとだめだな)」

徹は少し反省し引き続き調合をし始めた。


そうこうしていると馬車は、城門まで来ていた。

城門から数人の兵士たちが出てきた。

「そこの馬車止まれ!!」

城門の兵士達が徹たちの馬車を止める。

「検問を行う、止まられよ!」

御者をしていたエレナはゆっくりと馬車を止めた。

そして徹がゆっくりと馬車から降りてきた。

兵士は馬車から降りてきた徹に対し、近寄り話しかけてきた。

「馬車の中を検めたい、それと職業と名前を言え」

「冒険者をしているトールと言います、いま、4名で旅をしておりました」

徹は落ち着いた声で答えた。

「そうか、では全員、冒険者のプレートを見せよ、では失礼する」

兵士たちは、数人で馬車中や外を確認し始めた。

今まで見てきた兵士たちは、高邁であったが、ここの兵士はそこまでない。

きちっと対応をしている。

ザノバ大将軍隊以外にも帝国にはちゃんとした兵士がいるのだと徹は感じた。

「おふた方は、シルバー級冒険者の疾風の剣ではありませんか?」

兵士の一人がエレナとレイを見て声を上げた。

「そうだが」

エレナが答えた。

「若くして、シルバー級冒険者になった、疾風の剣の二人に会えるとは、今日はついているな」

兵士の一人がエレナ達に気づいたようで、他の兵士たちも珍しいものを見たようにがやがやし始めた。

エレナ達はこの一帯では名が通っているようだ。

そのお陰か、検問は直ぐに通ることが出来た。


城門の中入ってからだが、いつもの通り、人が少ない。

兵士たちが見回りをしているが、それ以外には、道の端に浮浪者たちがおり、建物の陰にはストリートチルドレンが隠れている。

ただし、他の町に比べ建物などの劣化が少ない。

「トールさん?気になることがあるんですか?」

徹が街並みを見ていると、レイが話しかけてきた。

「いいや、今までの見てきた町の中でも大分、ましな方なんじゃないかと思って」

徹は、日本で生まれ、日本で過ごしてきた為、この帝国の生活の状況がいかにひどい状況なのかは感じている。

しかし、その中でもラトラタは、まだ、ましな方だと思った。

浮浪者やストリートチルドレンが他の町よりも少ないこと、ぐずれていたり、手入れが出来ていない建物が他に比べて少ないこと、商売をしている店が他の町より多いことが理由だ。

「そうですね、他の町に比べたら、ここの町はまだいい方だと思います。恐らく、この町を治めている、領主のガラハット様がいいからでしょう」

そこからは領主について、レイから話を聞いた。

飢饉などがあれば食料の配布を行い、定期的に孤児たちへの支援も行っているらしい。

どれも気持ち程度のものらしいがやらないよりましなのだろう。

また、領の負担で、冒険者組合に依頼を出し、モンスターの討伐も行っているらしい。帝国においては、ましな領地経営をしているのだろう。

レイにそんな話を聞きながら徹たちは冒険者ギルドを目指した。



徹たちはギルドに来ていた。

ラトラタの冒険者ギルドは石造りの二階建ての大きな建物だ。

徹たちは、その冒険者ギルドへ入った。

中には、複数人の冒険者がソファーに座っていた。

徹たちがなぜ冒険者ギルドへ来たかと言うと、エレナとレイが行きたいと言ったからだ。

冒険者ギルドに入ったエレナとレイはカウンターに並び受付の女性と話し始めた。

数分すると二人は袋を手に持ち徹の元へ戻ってきた。

「トール、大分少なくて申し訳ないが、救ってもらったお礼だ!」

「私からもです、トールさんありがとうございます、そしてセシリアちゃんもすっごく助かったわ」

2人が徹に渡そうとしたのは、貨幣が入った袋だった。

恐らく、二人が命を懸けて貯めてきたお金なのだろう。

徹は2人の気持ちはありがたかったが、自分のしたことが、対して労力もかけずやったことだし、謝礼をもらうには申し訳ない気持ちだったため断ることにした。

「気持ちはありがたいが、それは受け取らない、たまたま、成り行きで助けただけだし、それにオーガジェネラルの素材ももらったし」

徹は、断る理由をいい、差し出した二人の袋をそっと押し返した。

「いいや、それでも礼をしなければ剣士の恥だ!頼む受け取ってくれ!トール!」

「お願いします」

2人とも一向に引っ込めようとはしない。

これではきりがない。

トールは断り方を変えた。

「二人も知っている通り、俺は別に金に困っていない。俺の実力を知っていると思うが、あれ以上のモンスターも狩ることも容易いだろう」

2人とも沈黙する。

「前回の町でもオーガジェネラルを換金したが、相当な額になった。たから金は要らない、よかったら、その礼は別の形で返してもらえないだろうか?」

その言葉に対してレイが質問してきた。

「では、どのようにお返ししたらいいでしょうか?」

エレナは悩ましそうな顔をしている。

レイは顔は少し赤くなっている。

「もし、俺やセシリアがピンチになった時は、いの一番で助けに来てほしい、それはどんなことより優先してもらいたい、それならどうだろうか?」

エレナもレイも思いもしない提案に少し悩んだが、正直、徹がお金を望んでいないためそれを受け入れざるをえなかった。

「わかりました、もし、トール様やセシリアが危機にある時は、我々、疾風の剣がいの一番に駆けつけます」

「わかった、トールたちのピンチの時は命を張ってお前を助ける!」

やっと3人のやり取りが終わり、徹はほっとした。


その後、エレナとレイは、ラクトールのギルドへの報告を急がねばならないとのことだったので、早々にラトラタを立つこととなった。

「トールさん、本当にありがとうございました、命だけではなく、武器や防具までもいただいて本当に感謝しております」

「トール本当にありがとう、この恩は必ず返させてもらうから」

「わかった、そんな時が来ないことを願うが、もしその時は頼む」

「エレナさんもレイさんも元気でいてくださいね、また一緒にゆっくりお風呂に入りましょ」

2人とも何度も徹とセシリアに感謝の言葉を言い、ラトラタを発った。



2人と別れた徹とセシリアは、いつもの通り、食材の買い出しを行い、武器屋と道具屋を訪ねることにした。先に武器屋に行ったのだが、ほしいものがなかったので早々に道具屋へ行くことにした。道具屋はメインストリートになく、メインストリートから曲がって路地裏に店を構えていた。やはり、裏路地に入ると道の雰囲気が一気に変わる。メインストリートは多少ましだったが、路地裏は汚く、建物も老朽化したものばかりになる。そして、道端には、浮浪者らしきものが座っている。やはり路地裏に入ると少し、危険なにおいがする、徹たちは足早に道具屋へ入った。

「いらっしゃい、何かお探しですかね」

道具屋に入ると白髪の老婆が店の奥から出てきた。

フード付きのローブをかぶっているため、いかにも魔法使いって感じである。

「いいや、寄ってみただけだ、いいものがあったら買いたいと思っている」

「そうですかい、気に入ったものがあったら、声をかけておくれ」

老婆はそう言うと近くにあった椅子に腰かけた。

徹は店内を見ていった。

その中で気になるアイテムが4つあった。



石:清潔な石 ★★★ 

特質ユニーク級アイテム。ある一定の距離にあるものを清潔に保つ能力がある。


石:水が出る石 ★★★ 

特質ユニーク級アイテム。水が湧き出てくる石。


石:光る石 ★★★ 

特質ユニーク級アイテム。発光する石。


書籍:魔導書 クリエイトゴーレムの書 ★★★ 

特質ユニーク級アイテム。ゴーレムを作り出す能力。ゴーレムの能力は技の発動者により変化する。


調度品:木彫りの置物(熱) ★★ 

希少級レアアイテム。周りに温風を発生させる。


「おばあさん、こちらがほしいんですけど」

中でもクリエイトゴーレムを覚えれる魔導書は買いたい。

徹はこの魔導書からチートの匂いを感じていた。

「お兄さんは、お目が高いね、どれもいい品だよ、特に石については、私が世界を回って見つけてきた石なんだよ、石はそれぞれ、一つ大金貨3枚、そっちの木彫りの置物は金貨3枚、魔導書は、大銀貨3枚でいいよ」

徹は脳内で日本円へ換算して考えている。

「(えぇーっと、石が1個300万円で、木彫りの置物は30万円か、魔導書は、3万円!、魔導書はもっとするとおもったのにな)あのー、なんでこの魔導書はこんなに安いんだ?」

徹は、魔導書が安いことに疑問を持った。確かに、ゴーレムと言ったら、戦闘に限らず生活にも使えそうな感じがしたからだ。

「そうかい?相場通りだけどね」

「戦闘に使い、矢除けにするとか、田畑を耕させるとか、便利な使い方があるんじゃないかなぁって思って」

すると老婆はけらけら笑って徹に答えった。

「ゴーレムはね、造るのにも、操作するにも大変魔力がいるんだ、また、ゴーレムに込める魔力の量によって強さも変わる、この書は宮廷魔導士レベルの人間でも過ぎたるものさ」

「そうなのか、わかった、魔導書を含めて全部頂こう」

「へへへ、本当に買うのかい、まいどあり」

徹は、インベントリから硬貨を取り出し、老婆へ支払った。

「いろいろと沢山買い物されましたね、これからの旅に役立つといいですね!」

「そうだな、どれも将来役に立つものばかりだ、以前サーシャが、マジックアイテムとは縁があるのだと言っていたし、いいものは惜しみなく買っていこうかと思っている」

「そうですね。。。縁は大切ですよね。。。サーシャさん元気ですかね。。。」

セシリアがなぜか少し微妙な雰囲気を出した。

サーシャのことでは少し苦い思い出があるからだ。

必要なものを買い込んだ後、徹

とセシリアは道具屋を後にした。


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