謝罪
明日から仕事です。がんばります。
ここは宿屋、徹とセシリアは朝早くから町を立つ準備をしていた。
2人の会話は朝の挨拶意外なかった。お互い正直気まずい感じになっていた。
「(俺が無神経なことを言ってしまったよなぁ、どうやって謝ろうか)セシリア、自分の荷物はすべて積んだか?」
「はい積みました」
「そうか、じゃ、俺が馬車の御者をするから、馬車の中にいてくれ」
「はい」
徹は町を出る前にサーシャに挨拶をしておこうかと思ったが、セシリアとこれ以上気まずくならないよう挨拶をせずに町を出ることにした。
ゆっくりと町中を馬車で進んでいく。道には誰もいないため、移動しやすい。徹は初めて御者をするのにちょうどいいと思った。
「(御者をできる仲間がほしいな、交代で行わないと危険かもしれない、居眠り運転は事故の元だしな)」
そう考えていると、いつの間にか門の近く迄に来ていた。そこで、門兵に止められた。
「朝早くからどこに行くんだ?」
っと門兵が質問してきた。
「冒険者をしてまして、帝都へ行こうと思っています」
「そりゃ、少し遠いな、気を付けて行けよ」
「はい」
帝都までは、遠い。つくまでに3週間ぐらいかかるだろう。。
途中の道には大きな町はあまりなく、村も数える程しかない。帝国は地方の過疎化が進んでおり、都市化が進んでいる。また、地方に住んでいたとしても、重税をま逃れるため、隠れ住んでることが多い。その為、行き道に町や村あまりないのだ。
徹は、安全に馬車を進めていた。どのタイミングで謝ろうかと考えながら進んでいるからだ。
「(やっぱり、きちっと誠意を込めて謝らないとな)」
出発してから30分、なかなか切りだせないでいたが、徹は、セシリアに謝ることにした。御者の位置から徹は、
「セシリアちょっといいか?」
と言うと、セシリアが、中から出てきて、徹の隣に座った。
「はい。何でしょうか」
やっぱり二人の間は空気は重い。
「・・・・・昨日は、その・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・わ、私も昨日は」
2人が、互いに話をしそうになった時、数本の矢が馬車に向かって飛んできた。
徹は、すぐに気づき、抜刀し、矢を叩き落した。
すると、前に40人ぐらいの人間がいる。
最初は盗賊かと思ったが違う。よく見てみると、冒険者ギルドにいた奴らだ。
その中の男が、徹たち向かって叫んだ。
「貴様ら止まれ!止まらなければ馬車ごと火矢で火だるまにする!」
すると、冒険者たちが火矢を準備し、火矢でこちらを射ろうとしている。その為、トールは、馬車を止めた。そして徹は、叫んだ。
「お前たち、何が目的だ!なぜこのようなことをする!」
すると、
「昨日、お前、ギルドから大量の硬貨をもらっただろう!それに金になる魔物とマジックバックも持っているだろ、黙ってそれを置いていけ!それと馬と馬車も頂く!わかったなら、すぐに降りて引き渡せ!」
冒険者たちは、徹たちにそう言ったが、徹は考えていた。
「(ギルドでの対応は、ダメだったか、失策続きだな、あと、あいつらは顔を隠すつもりがない、俺たちを殺す気だろう)」
徹は、馬車がほしいなら火矢は脅しだと思い、突っ切ることも考えたが、逃げられると思ったら射ってくる可能性がある為、馬車から降り、奴らを倒すことにした。ちょうど、前に固まっていた為、セシリアは守りやすい。
「わかった、そっちのいうことを聞こう![セシリア、馬車の陰に隠れていてくれ、ここでは矢が飛んでくるかもしれない、俺はあいつらの相手をしてくる]」
「[トール様、気を付けてください]」
徹とセシリアが相手に聞こえない程度の声で話していると、
「なにをごちゃぐちゃ話しているさっさと降りろ!」
冒険者の一人がそう言った。
相手は、徹たちが馬車を降りたことに少し安心したのか、気が緩んでる感じがる。すると徹が、瞬時に冒険者たちに近づき抜刀し、冒険者たち切りかかった。
冒険者たちも驚き、抜刀したが、既に遅い。気づいたころには、5人は徹のみね打ちで倒れている。
「くそ!!!お前らかかれ!!!」
「(くそ!殺さずに倒すのは骨が折れる!)」
冒険者たちは一気に徹に群がった。徹は、インベントリから槍も持ち、二刀流で
1人1人にみね打ちしていった。
その時、徹に向かいファイアボールが複数飛んできた。徹は、数十人を相手にしていたため、避けきれず被弾した。
「トール様!!」セシリアが叫んだ
「ふふふ、やったか、あっけねぇな」
「じゃ、あの馬車とその中身は頂くとするか、マジックバックは惜しいことしたがしょうがない」
冒険者達がそう言っていると、
「だれが、あっけないだって?」
火の中から出てきたのは、徹だった。一部の武具が燃えており、少し、やけどらしき?跡がある。
「なに!あれを食らって生きてるとは化け物か!!?」
徹は、急加速し、冒険者たちを薙ぎ払っていった。
瞬く間に、30人いた冒険者が蹂躙されていく。徹の強さは相当のものとなっていた。
ピコーン
剣技(中)が、槍技(上)を覚えた。
(ふー、危なかったぜ、この体じゃなかったらやばかった)セシリア大丈夫かー!」
「キャー!!」
徹が振り向くと、別の冒険者がセシリアに向かって剣を降り下ろそうとしていた。
伏兵がいたのだ。
「セシリアー!!」
徹は加速し剣とセシリアの間に自分の体を入れ込み、降り下ろされた剣を背中で受け止めた。
「トール様!!」
徹はすぐに風魔法で伏兵の冒険者達を吹き飛ばした。
「大丈夫か?セシリア」
「トール様ー」
セシリアの顔はクチャクチャになり泣いている。
「ごめん、俺が軽率だったせいだ」
徹は冒険者ギルドの件もそうだが、今回も伏兵がいる可能性を考えきれていなかった。
「私、私、役立たずで、弱くて、トール様の邪魔しかできなくて。。。」
「いや、俺のせいだ」
徹はセシリアをぎゅっと抱きしめた。そして、落ち着くまでそのままでいた。
セシリアが落ち着いた後、徹は自分のけがを回復魔法で癒した。それと、倒れている冒険者をどうしようか迷ったが、武器と防具を奪い取り、縄で縛り、放置することにした。この冒険者達を犯罪者として裁くことも考えたが無駄な時間がかかる。なので、武器と防具を奪ったら、一時は追ってこれないと奪い取った。奪った武器や防具はきちっと徹のインベントリの中へ格納済みだ。徹たちは、足早にその場を去った。
徹たちは日が暮れる前によい野営地を見つけ、野営の準備をしていた。その中で、徹とセシリアは料理をしていた。料理をしているといっても、ホーンラビットの肉を火であぶり、タンザスで買った塩とハーブを振るだけの簡単なものだ。そして、タンザスで買った野菜をサラダした一品があるだけ。
「食べれなくはないが、味気ないな」
徹が感想を言うとセシリアが
「そうですか?私はおいしいと思います。前はお肉なんて食べれませんでしたから。あと、新鮮なお野菜もおいしいです。トール様、いつもありがとうございます」
っと満面の笑みでお礼を言った。
その夜、徹はある大仕事をしていた。
「アースウォール!」
「アクアボール!」
「ファイアボール!」
「できた。。。」
本日、徹の最後の大仕事は、露天風呂を作ることだった。
アースウォールで風呂を作り、アクアボールで水を貯め、ファイアボールで水を温めた。そして立派な露天風呂が出来上がった。
「できたぞ~!我が国の文化・我が国の伝統!!」
徹は、タオルを下半身に巻き、風呂へ飛び込んだ。裕に5人は入れそうな広さだ。そして、セシリアも風呂へ呼んだ。
「セシリアー、お前もこーい、そこにバスタオルがあるから巻いては入ったらいい、何もしないから大丈夫だ」
徹がそう言うと、セシリアも恥ずかしそうに風呂に入ってき、徹に話しかけてきた。バスタオルはきちっと巻いている。
「トール様、私は初めてお風呂に入りました、すごく気持ちいいんですね!トール様のクリーンもいいのですが、こちらが断然気持ちいです!」
セシリアが少し元気になってくれた。徹は頑張って風呂を作ってよかったと思った。また、セシリアの透き通るような肌は見られて良かったと思った。
「(あの肌は目に毒だな、これから見らないでおこう)」徹はそう心に決意し、風呂を堪能した。