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馬と馬車

ギルドを後にした、徹とセシリアは、飯屋に来ていた。基本的に、徹はあまり空腹を感じない体なのだが、セシリアは違う。普通のエルフのため、お腹がすく。その為、飯屋に来たのだ。そして、1軒の汚い飯屋に入っていった。

「(セシリアは普通のエルフだから定期的にご飯を食べないとな。行軍中は定期的にご飯が出てたから、あまり気にしていなかったが、自分たちで旅をするときは、気を付けよう)こんちは~」

「こんにちは」

飯屋に入ると中はがらんっとしていた。客がいない。徹とセシリアは、カウンター近くのテーブルに座った。すると、店主だろうか、親父が徹たちに話しかけた。

「大したメニューはねぇーよ、基本、この国は、年中食料不足のようなもんだからな、ちょっと待ってろ。一つつでいいんだろ?すぐに出してやる」

親父は厨房へいこうとしたので、トールは急いで親父に注文した。

「同じものを2つお願いします」

「そいつの分もか、わかった」

親父はそう言うと料理を作り始めた。

「トール様、ありがとうございます」

セシリアが申し訳無さそうにトールにお礼を言った。

「いちいち、気にするな」

徹は少し微笑んでセシリアに答えた。

「トール様、この後はどうしましょうか?まず、馬を手に入れないといけないですよね?テウ様がおっしゃっていた通り、よい馬がいるといいのですが」

「おう、そうだな、馬と馬車を買い、旅に必要な荷物を買った後、すぐに立つもりだ、この後、馬屋と武器屋と道具やにいこう」

「はい!」

すると親父がカウンターの中から出てきて、二つの器を徹たちの前に出した。雑炊のようなものなのだが、ちらほら、緑色のものがはいっており、体にはよさそうだ。

「ほらよ」

「ありがとうございます。頂きます」

徹は、親父に硬貨を渡した。そして二人は食べ始めた。

「そういえば、パトゥースさんたちは、どこにいるんでしょうか?あれだけの人の数だから、すぐに会いそうな感じなのですが」

「そうだな。まぁこの町は結構大きいし、どこかに駐屯しているだろう」

徹とセシリアがそんな会話をしていると、親父が話しかけてきた。

「あぁ、軍の連中か?そいつらなら、早々に立ったぜ。急いでる感じがあったが。まぁ、軍の奴らが長く町に留まるとろくなことがないからな、早々に立ってよかった。まぁ、今日来た軍は、悪びれた素振りはしていなかったがな」

親父がそう言うのも帝国軍の兵士は、あまり、マナーがよくない。夜中、町に繰り出してくることも多々あるようなのだが、あまり良い話を聞かないという。

「そうなんですか。店主様、こう来た軍の方々は、いい人ばかりでしたよ。一緒に旅をしたので知っています」

っとセシリアが言った。

親父はセシリアの言葉を無視し、カウンターの椅子に腰かけた。

「すみません、親父さん、このあたりに馬屋と道具屋と武器屋はありますか?」と徹が言うと、

「あぁ、ここから数軒行ったところに馬屋があり、そのあと、少し行ったところに並んで武器屋がある。そして道具屋だが武器屋の裏側に店がある。」

「そうなんですね。ありがとうございます」

「ありがとうございます!」

徹たちは、親父から必要な情報を聞き、食事をした後店を出た。そして、教えられた通り、馬屋まで来ていた。

「こんちわー」「こんにちはー」、徹とセシリアは、そう言いながら、馬屋に入って行った。

すると中から小さめの店主が出てきた。

「いらっしゃいませー⤴」

店主は掛け声は感じが良よいのだが、見た目が小さくて、姑息そうな顔をしている為、残念感がいなめないとい感じだ。

「どのようなな馬をお探しで?」っと店主が徹に話しかけると

「(いつかは可愛い女の子たちに囲まれながら、ハーレムの旅をしたいからなぁちょっと大きめがいいなぁ、そりゃ中でウフフのことがあったりするから丈夫じゃないといけないか。いやいや、この時代にサスペンションがないから、中では難しいか。どうにかして、開発しなければ、俺のチート能力でどうにかなれば、くそっ!どうしたらいいのだ!)」

「トール様?大丈夫ですか?」

「お客様?」

トールの難しそうな顔にセシリアと店主が声をかけてきた。徹は、

ハッとして、答えた。

「すみません。我々は冒険者でして、ある程度、しっかりとした馬で、馬車もそれなりに人が入れそうなしっかりとした作りのものがほしいと思っております」

徹がそう言うと

「そうですか。冒険者の方だったのですね。承知しました。中に馬と馬車がございます。どうぞ、ご覧ください」

徹たちは、店主に案内されて中に入っていた。すると、店内から中庭のようなところにでると厩舎が二つあった。一つは、一般的によくある厩舎と、もう一つは、先ほどの厩舎より小さいが、丈夫そうな作りの厩舎だ。

「こちらです」

店主に案内され、徹は、一般的な厩舎の方へ入っていった。

「こちらが当店にある馬でございます。ご覧ください。まず、こちら、毛並みもよく、また若い。これから、お客様の旅をするのに末永くお供できる馬かと存じます、また、こちらもなかなか駿馬で・・・・・・・」

店主が一頭一頭解説をしてくれた。どれも上質な馬のようで、どの馬を買っても問題はなさそうだった。その為、徹は、途中に出てきたブロンドの毛色の馬が気になり、それにしようかと考えていた。正直、ギルドで得た資金も潤沢にあるし、あまり、値段は気にしていない。その為、そのブロンドの毛色の馬にしようとしていた。しかし、徹は、ふっと近くにあった、丈夫な作りの厩舎のことを思い出し、店主に質問した。

「店主、ちなみにあの厩舎はなんですか?」

すると店主が閥の悪そうなかおで答えてきた。

「あれですかい?あれはですね、以前、私が、金貨1枚でつかまされた馬でして、最初はいい買い物をしたと思ったのですが、誰かが乗ろうとすると暴れましてね。

私も何度死にかけたことか・・・・」

そう言うと店主はさらに苦そうな顔をして徹に答えた。

「見せて頂いてもよろしいでしょうか??」

そう言うと、店主はどうぞっと言って厩舎に案内してくれた。

すると、中には、普通の馬の1.5倍はありそうな馬が存在していた。

毛色は赤ではなく、どちらかと言うと茜色で、猛々しく、毛並みも美しい。頭部には、何かの後だろうか、生えていた角が折れてしまったかのような跡がある。

「この馬はもともと角があったのですか?」

徹がそう言うと、店主は、

「いいえ、そのようなものはありませんよ。基本的には馬には角はありませんから。そのようなものがみえるのですか?」

店主がそういうと、徹は、その馬を鑑定し始めた。

 【 名 前 】 アオ 

 【 種 族 】 バイコーン

「(おおおい!うまじゃねーじゃねーか!、恐らく、角の後は常人には見えないのだろう)」

徹が、鑑定をするとバイコーンは、一瞬だけ徹を見つめてきた。そして、徹もバイコーンを見つめ、こいつにしようと思った。

「店主、この馬をください。こいつにします」

徹がそう言うと、店主は、

「いやぁ、それは私としてもありがたいのですが、その馬が言うことを聞くかどうか・・・・」

と言って徹から目をそらした。

徹は、そのバイコーンの近くに寄っていった。

すると、バイコーンは急に動き出したと思いきや、徹が後ろへ吹っ飛ばされた。

バイコーンが徹の顔面に後ろ蹴りをお見舞いしたのだ。

「トール様!!」

「お客様!!」

セシリアと店主は徹のもとに駆け寄ってきた。

すると徹は立ち上がり、

「いてててぇ、マジビビった。マジ痛ぇーよ。この世界に来て初めて攻撃受けたわ」

徹が自分のHPを鑑定してみると

 【 H P 】 204950/205000

50減っていた。流石バイコーンといったところだろう。徹は直ぐに店主に対し、

「店主、この馬はいくらですか?」

「ええー!金貨1枚!いや、大銀貨5枚で十分です!」

店主がそう言うと、徹はインベントリから、2枚の金貨を取り出し、店主に渡した。

「いい買い物をしました。ありがとうございます。お釣りはいりません」

徹がそう言うと、再度、バイコーンに近づき始めた。徹に攻撃を食らわせ、HPを減らした者など今までに誰もいなかった。徹は、さらにこの馬をほしくなったのだ。そのときバイコーンの方はというと、立ち上がって近づいてきた徹に驚いてひひーんと泣いている。

すると、徹は馬の近くにまた寄っていき、拳を構えバイコーンを殴った。

「さっきのお返し・だ!」

拳を受けたバイコーンは、あまりの衝撃に倒れこみ失神してしまった。

バイコーンがすぐに起きないだろうと思った徹は、馬車を見に行くことにした。馬車を選ぶのはそこまで時間がかからなかった。なぜなら、あのバイコーンをつなげれる大きさの馬車がそうそうなかったからだ。そもそも、店主が、バイコーンと一緒にセットで売り出すため、大き目な馬車を作っていたのだが、それをそのまま買い取ることにした。

「いい買い物ができました。店主ありがとうございます」

「いえいえ、こちらこそ、デットストックになっていたものを定価で購入して頂きありがとうございます、非常に助かりました」

徹と店主がそう会話していると、中を見た、セシリアが感動していた。

「トール様ー!中がすごいことになっています!見てください!」

中を見ると、5.6人が座れそうな座席とその後ろには、開けたスペースがあった。商品を積んで商売でもできそうな感じだ。それに、きちっと、全体が箱型になっており、雨風を凌げる作りとなっている。徹もこれからがすごく楽しみになってきた。

その後、徹たちは、バイコーンの元へ向かった。すると、既に起きており、徹が近寄ると、前足をたたみ、頭を下げていた。

「(なんだこれ?服従の姿勢か?)」

徹もなんだかよくわからなかったので、元に戻れ!というと、バイコーンは直ぐに姿勢を戻した。

「(こいつ言葉がわかるのか?まぁいいや)」

そのあと、バイコーンを馬車につなぎ、徹とセシリアとバイコーンは、馬屋を後にし、武器屋に向かうことにした。


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