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付与魔法使いの異世界旅  作者: シロハイド
6/6

第六話 ミリア

(ん...?)


意識が戻ってきた。


なんでこんな所で寝ているんだ?

たしか硬化ステペントが使えるように

なって興奮して、何度も何度も使った...


まさか魔素切れか?そんな気がしてきた。


目を開けると周りは明るくなっており、

もう朝だった。


が、体が動かない。本当に魔素切れか

試そうと、硬化ステペントを石に向かって

使おうとするが使えない。


本当に魔素ぎれのようだ。


魔素が切れると体へも負担が掛かるっぽい。


何はともあれ今は動けないのだから何も出来ない。


「うぅぅ〜...」


何も出来ないと暇すぎる。

って事でまた寝ることにした。今も時間的には

早朝だから2度寝も許されるかも?


んじゃ、おやすみ。


____________________________________________________________




「...ょうぶ?」


ん?誰かの声が聞こえる。


また意識が戻ってきたようだ。


「大丈夫?」


誰か分からない。ただ女性って事だけは分かる。

歳もそれなりに若い感じの声だ。


いつも女に飢えている俺は素晴らしいスピードで起き上がる。

今のスピードなら世界を取れるって位の早さだった。


「誰ですか――!」


「痛え!」「痛い!」


起き上がった途端に額に痛みが走る。


頭をぶつけたみたいだ。


「ご、ごめん」


謝りながら顔を上げ、顔を見合わせる。


そこには、一人の女性が立っていた。透き通るような白い肌と、雪のように

白い髪。髪は短くしてあった。ショートボブってやつだろうか。

服の膨らみ方からして胸はあまり無いようだ。

まぁ、小さい方が好みなのだけど。年齢は15ぐらいかな?

腰には短剣を持っている。


この子のことを、俺がパッと見て言える印象

は、美少女ってことだ。


「わ、私のほうこそゴメンね?」


涙目になって謝ってくる。可愛い。

じゃ無かった。


「俺の方こそゴメン。起こそうとしてくれたんだよね?」


「あ...うん。道端に倒れてたから。」


「そっか。ありがとう。」


「べ、別にいいよ...」


こういう時はちゃんとお礼を言っておかないとな。


身長は、俺より少し低いぐらいか。


「そういえば、何であんな所に倒れてたの?」


硬化ステペントの魔法を使いすぎちゃって...

気が付いたら気を失っていたんだ。」


「そっかぁ。じゃあ魔素切れかもね。

ところで、あなたもグルス王国に行くの?」


「ん?ああ、そのつもりだけど...」


「なら一緒に行かない?私もグルス王国に行く所だったの。

1人だけじゃ寂しかったんだよね」


「良いの?もし良いなら王国の中も案内してほしいなぁ。」


「それじゃあ行きましょう!もちろん案内も任せてよ!」


まじで?!美少女と2人で、しかも案内までしてくれる

なんて夢じゃ無かろうか。


「じゃあ、お願いするよ。」


「よろしくね。」


にっこり笑顔で返され俺の心はドキッとする。

少し微笑み返されただけなのに...童○の心は

いとも簡単に揺さぶられる。


「そういえば、アナタの名前を教えてもらって無かったわね。

名前は?」


っと、名前を聞かれた。日本の時の名前で良いかな?


「内村祐太。俺の名前は内村祐太だよ。君の名前は?」


「ユウタね。私の名前は、ミリア=クライシス。

ミリアで良いよ。」


「ミリア...良い名前じゃないか。」


「ありがとう!」


本当に元気で可愛い子だ。見てると癒されてくる。


だが少しなれなれしすぎないか?


俺は別に良いが(むしろ大歓迎)、よく分からないおっさんに、

付いていったりしては大問題だ。あんな事やこんな事をされないだろうか。

もしやるのなら俺にも連絡してほしい。


「それじゃあ、ユウタ早速行きましょ!」


「おう!」


ミリアと一緒に歩き出す。


目指すは、グルス王国だ。


____________________________________________________________

ミリアと会って1時間ほどだろうか。


話ながら歩いたせいで、もっと疲れた。


主にミリアの事を詳しく聞いた。


ミリアは、此処からかなり遠い町にある

実家から、家出してきたのだと言う。

かなり驚いた。


実家は農家だったらしい。


なんでも、親と自分の将来の事で言い合い

になり、結果として喧嘩。

そして家出までになったらしい。


グルス王国は治安がいい方で、ギルドに行けば、

冒険者に誰でもなれるらしい。


なので自分も冒険者になるために来たらしい。


彼女は、かなり強い。

先ほど出てきた赤いスライムは、腰に

持っていた短剣で一撃だった。


昔、冒険者にモンスターに襲われていたところを

助けてもらい、それから冒険者になる事を

夢見ていたのだという。


...夢があるというのは良い事だ。

少なくとも目標を失い、ただただ無駄な時間を

すごしていた俺よりは...


っと、話題がそれたな。


彼女は、両親に冒険者になりたいと

言うが、両親は猛反対。


ミリアには、兄が居たらしいが、

数年前に行方不明になっている。

なので、ミリアには農家の仕事

を受け継いでほしい、と言ったらしい。


が、長年抱いていた夢を

その一言だけで断念するのは、

流石に嫌だったので、

親の目を盗み、家出してきたらしい。


それでグルス王国に行こうとしたら

道端で倒れている、俺を見つけて

今に至るわけか。


ある程度有名になったら、

実家に戻るらしい。


さて、それでミリアはといえば

木の陰でスースー寝ている。


可愛いから、理性を抑えないと襲ってしまいそうだ。


「おーい。ミリアおきて。」


「ムニャ、ムニャ...

ッハ!私寝てた?」


「熟睡してたよ。」


「そっかー。ついつい寝ちゃったよ。」


「疲れは取れた?もう良いなら行くけど...」


「バッチリだよ!ささ、いこいこ!」


こうしてまた歩き出す。グルス王国へ向けて。


新しい仲間、ミリアと共に。

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