第二話 異世界?
「ん?」
目が覚めた、
あんな事故だったんだからすごい怪我だろうな...
てか生き残れたのかよ。
そう思い自分の体を見る。
「あれ?」
骨折すらしていない。
五体満足で帰れるとは思っていなかった。
事故のときには、骨が2,3本折れていたような気がしたけど。
助かったから全部OK!
そこでようやく左下のぼんやりとした
丸いマークに気が付いた。
それに意識を移すとマークが
広がり項目のような物が出る。
そこには『ステータス』と書かれている。
「ステータス?まるでゲームじゃないか。」
ゲームなどは引きこもっている間
に結構しているので知識はあると思う。
そして俺はある項目を見つけた
[スキル:付与魔法強化(超)]
「付与効果強化?なんか弱そうだな」
周りを見渡すと、このあたりは森みたいだ。
見たことが無いぐらいに深い。
「グガァー!」
上空をめちゃくちゃでかい鳥が通り過ぎていく。
恐竜で言う所のプテラノドン的なのが飛んでいる。
「ステータスだったり見たこと無い鳥とか..」
その時だった。近くの茂みの中から
赤い色をしたプルプルしている
ジェルみたいなやつが出てきた。
誰が見ても分かる――スライムだ―――
「ピギュー!」
変な声を出しながら襲い掛かってきた。
「うわ!」
驚きながらとっさにこぶしを振るう。3、4発殴ったら動かなくなった。
「こ、こえー」
でも スライム、ステータス、日本ではない場所..
って事はつまり
「ここは異世界!?」
異世界?!わーい。
え?
「い、いや。そんな訳が無い。」
と、考えていたらまた赤いスライムが出てきた。
そこに落ちてた木の棒で殴ったらすぐに倒れた、
だが木の棒の先端が少し溶けていた。
慌てて自分の手を見ると手袋をしていたから助かったが
殴った所が溶け素手が見えていた。
少なくともニート生活中にこんな危険なスライムが出たなどと
の、話は聞いたことが無い。
「え?なんで?何で異世界?」
い、いや。一回落ち着こう。
自分の腕をつねる。
痛い。ちゃんと痛みを感じる。
これは夢ではない現実なのだ。
1回でも異世界のような
ファンタジーの世界に言ってみたいとは、
考えた。
だがこんな形で来てしまう事に
なるなんて...
元の世界に帰れるだろうか...
そんな考えが頭を過ぎる。
ここは異世界、日本とは常識が違うかもしれない。
なんだかんだ言って日本は良い国だった。
だがここは、戦争など争いが無くならない
国かもしれない。
ましてや、さっきのスライムのような
魔物だっている。
そう考えると、途端に不安が強くなってくる。
「とにかく情報を集めないと...
帰れるか帰れないかは、その後だ。」
周りを見渡す。
すると煙が視界の端に写る。
「人がいるかもしれない。」
もし火事とかだとしても行って損は無いはずだ。
俺は走り出す。
煙りのあがっている所まで
不安を抱えながら...
久々に走ったせいで木の根につまずいた。