○5 教授は男……なはず
とある一室。
そこには大きな機械があり、コードをたどると扉があった。
「まぁ座ってよ、お茶入れるから」
「はぁ……」
近くの椅子に座り、教授からお茶をいただいた。
「この機械は初めて見るのかな?」
「はい」
「これは君を連れてきたものだよ」
まじまじと見つめる。これが俺をこの世界に連れてきた機械。
「君は昨日、入れ替わりでこの世界にきた。同時にこの世界にいた君は君のいた世界にいるわけだ。」
「……なんでこの機械を作ったんですか?」
そういうと彼は少し悲しそうな顔をした。
「ただの探求心さ……
これはね、元々タイムマシンのはずだったんだ」
「タイムマシン?」
「タイムマシンを作るはずだったのに完成したのは何故かパラレルワールドへの扉だった。
君がいるのがその証拠さ」
「……俺は……なんで昨日、実験した……?」
「……さぁね、急に実験しようと言ったのはこの世界にいた君だから」
そういうと教授は俺に厚い紙の束を渡してきた。
そこにはたくさんの文字、機械の構造図が書いてあった。
「これは君と僕がまとめたこの機械の資料、というかただの研究記録なんだけどね」
所々殴り書きがあるが分かりやすく書かれていた。
これを見た感じ、一生懸命さは伝わってきた。
「明日僕はまた来れなくなるけど、機械はいじらないでね。君が帰れなくなるかもしれないし」
「は、はい」
「んじゃ、今日は解散!」
そういうと鍵を持って送ろうか?と教授がいっていたがシノと帰るので断った。