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知識馬鹿  作者: よもぎ
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久しぶりの更新。

前作通り、ご都合主義&スピード展開です。

誤字脱字のオンパレード。

すみません・・・。

「人というのは、生きるよりも死ぬ方が簡単なのだな」


 また急に何を言い出すのか、この人は。そう思ったが、すぐに先の戦場での経験だということに思い当たる。


「傷を縫う知識は十分だった。技術は、数を重ねるうちに上達した。が、すべての人間が助かったわけではない」


 そうですね。戦場に突っ込み、敵味方関係なく傷の縫合を始めたあなたは、間違いなく知識馬鹿。


「知識は十分だった。経験はたしかに皆無だった。けれど、それ以上に生きるということは困難を極める」


 人間だけでなく、生きるものすべてに共通すると思います。


「生かすことよりも殺すことの方が容易い。そうでなくとも老いれば死ぬのだ。死というものは、努力しなくても得られるものなのだな!!」

「はぁ、そうですね」


 若干棒読みになったのは仕方の無いことだ。そもそも、彼に人の死を前にしてどう思うか、という問いは早すぎたのだ。


 体は大人、中身は8歳児並。


 これが、私の知識馬鹿に対する認識である。


 そもそも、森の民である私が彼に出会ったのは8年ほど前の事である―――――――。


 王国近くに広がる深い森。そこに私の家がある。


 同じくらいの年の子どもが少なかった私は、偵察と称して森を駆け回っていた。もちろん、偵察などではなく遊びだ。


 その日もいつものように森をブラブラしながら木の実を食べたり、森の仲間と遊んだり、とにかくいつものように遊んでいた。そのうちに、森の入り口近くに来てしまっていた。


 そしてそこにいたのが知識馬鹿。


「????」


 太陽の光を浴びているはずなのに、月の光のように輝く銀髪の髪。それが、地面から生えていた。


 近づいてみて、人だと分かった。耳を見れば、森の民ではないということも。


 入り口に近いとはいえ、人間からすれば深い。迷い込んだにしては随分とよい根性をしている。森の民が住んでいると言うことで、狩人すらこの森には近寄らない。まあ、貴重な動物の角や、牙ほしさにやってくるものもいるが、すべて森の民に捕らえられるか追い払われる。


 年は、私よりも一つ二つ上くらいだろうか。ひょろい華奢な体つきだが、髪が短いから男だろう。着ている服は、一目で分かる上等なもの。うつぶせで倒れているせいで顔は分からない。


「あ、痺れ草」


 彼の右手にしっかりと掴まれている草。それは、一見すみれのようにみえるが、その汁には体を痺れさせる作用がある。うっかりつんでしまっても、それを舐めないかぎりは痺れないはずなのだが・・・・。


 森の民と、人間の間には埋めようのない溝がある。けれど、当時の私は子供だった。森の民にしろ人間にしろ、目の前に倒れている人がいるのなら助けねば、というくらいの正義感は持っていたのだ。


 よって、私の中で彼を助けようという意識が生まれるのは自然なことだった。今思えば、その行動こそがすべての元凶になるわけだが。


 いくら森の民とて私は8歳。小柄とは言え年上の少年を担ぐ事は出来ない。当たり前だ。なので、とりあえず解毒をする。頭を掴んで横を向かせる。口をこじ開け、解毒薬を流し込む。以上。


「・・・・ホントにお月様みたいだ」


 あらわになった顔は、やはり美しいものだった。


 白磁のように白い肌。そこに影を落とす長いまつげも髪と同じ銀。すっと通った鼻梁。薄い唇。女性と言われても納得できるような中性的な顔だちだった。たとえ土で汚れていようとも、本当に美しいものはその輝きを失わないらしい。・・・・・ちょっとムッとした。


「さて、あとは目が覚めればいいかな?」


 ちょうどガチャガチャと耳障りな音も聞こえてきた。護衛の人間か?


 鉢合わせするのは煩わしい。ここはおいて行くに限る。


 そのまま私はくるりときびすを返した。


「・・・・・うっ」


 意識の戻りかけたこの男が、私の後ろ姿を見ていたとも知らずに―――――――――。


 

キャラが、どんどん変わっていきそうで、怖いです・・・。

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