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唐突に、  作者: 紅
35/35

約定外

(再編集見込み有り)


 「一度目を通す機会に恵まれたけれど、あれは到底(学生の身分には重い)…、まあ兎に角。今の君に類似した環境下のはなしなんだ、」そして馴染めない彼方の登場人物キリカは呆気なく死んでしまうのだ(死因は自殺で、遺書もなし、葬儀は密やかに済まされる)。

 「仮令、君が登場人物キリカ自身でなくても。懸念は払拭できなかった、そして今では霧花きりか 鬼灯あかりは唯の同名の存在では無くて歴とした友人に成り果ててしまった、あまり嬉しい事ではない。刹那同胞せつなはらからの主人公はたしかに君を模しているから、そして小説の作中ぼかされているキリカの学生生活の赤裸々でもある」そこまでは突き止めたのだとくれまちは独り言ちると鬼灯から退いた。


 「刹那同胞シュミレーションゲームを造るように示唆したのは私だ、世界を掌握する為に必須事項だったとだけ教えておく」呉は脱いでいた上着を羽織った。雨と雷鳴が嘘のように消失して晴天がきらきらと顔を覗かせている、鬼灯は赤くなった目のまわりをごしごしとこすった、刹那同胞ゲームは知っているけれど小説は知らない―だけど思い当たる節はすこしずつ点在しつつも有る―時計の針は存外進んでいなかった、若しかしたら白昼夢でも見ていたのかもしれない。「君が死ぬなんて考えたくないから早急に手を打たせてもらう、多少設定の変更は諌めないけれど‘呉の養女になって’記憶の齟齬も訂正しよう」私の妹に御成りと呉は言うだけ言って去って行った。

 後日、晴れやかな気分で呉 鬼灯は青春を歩む。翌年4月のことだった。


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