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唐突に、  作者: 紅
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差別意識とは?

 他人に差別(睥睨、軽視)された場合にどう対応すべきだろうか。ひとつに己もそれに倣う人物がいたとしよう、彼は「私は不当な扱いを受けた」と言ってより弱者を虐げるに至った。しかし、結局同意を得るどころか最終的には破綻が待ち受けているものと思うのだ。違うだろうか、(同情や共感を得るよりも)蓄積していた鬱憤を別人に晴らす手法を用いて歪みを受け容れたのである。

 先に述べた人物とは逆に同じ境遇を経て、他をより慈しむ者がいたとしよう。偽善と謂われようが諍いを避け「平和を(皆で)享受する、」人間の人格(または品位、)能力/才能、外見の美醜による優劣(比較)はそもそも各々の価値観(偏見・個人的主観)を大儀と見做し“常識”と言う名の“独善”の押し付けに過ぎないのだ。


 『卑屈』と『配慮』が例に挙げた人物像の違いかと、私は考える。


 前者は純粋な思いや気持ちを真っ向から否定、ないしは忌避か拒絶を示し。後者は他を思い遣り憂いその心労を、苦労を理解しようと黙考するのである。『気遣い』『持て成し』『美辞麗句』さりとて、実現可能かと言えば―。「オルセリド、オルセリド…」頬を膨らませた児童が此方を見上げていた。橙な色味の金髪が私(の腕)を揺さ振っていた、

 思索に耽る物憂げなはずの表情も『きっと、このこどもには関係が無いのだろうなあ』と少し気が上向いた。オルセリドは幼さに和んだのであった、「ねえ。本読んで」と突き出して来たのは。最近巷で流行っているらしい童謡だった。けれど良いのだろうか…


 案の定、私の膝を枕にして小さく寝息を掻く姿に口許が緩む気がした。『まるでダントンさん家のクレヴィアのようだ』との呟きは蒼いかぜに音を浚われてしまった、

 その日、夕日が沈むまで―迎えの者が捜しに来るまで―木陰でまどろんでいた二人は帰ると早々に引き離され。女史の説教(小言)を拝聴する羽目に為ったのは、また別の話。


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