レイジーの騎士生活 王国最強のお姉さんは俺に厳しい
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転生した。生まれは比較的首都に近い村の狩人の息子。名は、レイジー。
18で村を出て首都で騎士になって早1年
騎士の朝は早い。訓練用の服を着てさっさと訓練場へ急ぐ。遅れるとまずい。なぜかって?それはな綺麗で怖いお姉さんがいるからだ。
「おいちょっと待て」
俺は訓練場の前で件の綺麗で怖いお姉さんだ。名前は、キリルカ・キルリッヒで階級は騎士団長。女性最年少で騎士団長になった人だ。今、24だったかな。俺が入った時(1年前)にはもう副団長を務めていた。
「な、なんでしょうか」
その鋭い眼光に当てられたら俺みたいな下っ端は身がすくむんですが・・・
「お前は遅刻だ」
「は!?」
やばい、つい大声が出てしまった。
「ほう、上官に向かってタメ口とはいい度胸だな」
「あ、いえ。申し訳ありません」
すぐさま頭を下げる。団長なんかに楯突いたら俺の首なんて簡単に飛ぶ。
「まぁいい。それよりも遅刻の件だ。罰として訓練場の周囲1000周な。さっさと終わらせろよ。さぁ打ち合いの訓練を始める」
おいおい訓練場は500メートルもあるんだぞ1000って50キロもあるじゃん。
「さっさと走らんかぁ!!」
遠くから檄が飛んできたのでため息をはきながら走り出す。同室の奴が近づいてきた。
「災難だったな。それにしても1000周とは、お前何かしたのか?何かとお前だけ厳しいと思うんだが」
ここ何回か、何かと理由をつけては他の奴と違う訓練をさせられるのだ。
「分からん。次は気をつける」
「じゃあ頑張れよ」
友人に手を振り訓練場の周りを走る。ぶっちゃけ1000周ぐらいは苦ではない。5歳ぐらいからずっと鍛えてるし。チートもあるしな。
俺がこの世界に来たのは、車にひかれて死んだ後、この世界の神とか言うのに頼まれたからだ。
『間違って魔王の力を異常に強くなってしまった。勇者が呼べる状態までバランスを保ちたい。そこでおぬしに転生して欲しい。チートもつけよう。ちなみ選んだ理由は特にないので断ってもらってもかまわん』
俺は即答したね、「いきます!」と。もらったチートは無双できるとかいう代物じゃないが、かなり便利だ。今説明したいのはもらった4つの内1つ、『体力超回復』だ。効果は名称から推して知るべしだな。
「遅いわ!」
「も、申し訳ありません」
嘘だろ。俺、500キロ2時間弱だぞ。これで遅いとかどんな無理ゲーだよ。
「走りきったことは認めてやろう。おい、全員一旦訓練止め!」
打ち合い練をしていた56名が一斉にこちらを向く。視線の先は俺じゃ無いのは分かってるけどちょっと怖い。
「今から模擬戦を開始する2人組を作れ!」
団長の言葉を聞くやいなや打ち合い練習をしていた者同士でペアができあがる。この訓練に参加しているのは、騎士団長と新兵57名だ。他の騎士は外で仕事をしている。何が言いたいかというと、罰とか言うちょっとした地獄の後で『ペア作れ』とかいう本物の地獄によってぼっち状態だ。
「ん?お前は余りか」
これ見よがしに団長が聞いてくる。絶対しくんだろこいつ。
「なんだその目は。反抗的だな。よし、私が潰してやろう。お前は私と組め。模擬戦一戦目だ」
オーマイガット!!!