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マギア・フォレンジクス 〜スキルが真実を決める異世界法廷にロジックで抗う〜  作者: 里中 汪


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第10話 孤独の身

帰り道、背後に視線が張り付き離れない感覚があった。

土地勘がない為、撒くこともできない。

ウルスラの助言に従い、人通りの多い道を選んだ。


無事に家へ辿り着いた頃、街は既に闇に沈んでいた。

警戒していた襲撃は起きず、護符は使わずに済んだ。

執務室の椅子に腰を下ろし、机の上に書類を2つ並べた。

焼死事件の調書。

そして、上司である弁護官、アルバの事故報告書。

事故報告書には、夜の街灯に使われる魔道具の

オーバーフロー事故とだけ記載されている。


両件とも、炎上による死傷案件だ。

改めて精読すると、両被害者とも背中側の火傷の方が重症。


――偶然にしては、奇妙な一致だ。

アルバは、裏取引を拒否した直後に事故に遭っている。


アルバの事故は十分に調査されていないから、

何か見落とされた手掛かりがあるかもしれない。

「…明日の朝、調べてみよう」


その時、梯子を大きく軋ませながら、大男が登ってきた。

以前、焼死事件の発生を告げに来た調査官だった。

前回との違いは、髭が無造作に生えている事と、

こちらへ向ける眼差しに露骨な敵意が宿っている事だった。


「再審理は、2日後に決定した」

相変わらず、挨拶は無かった。

「承知しました」

「…今、調査団は事故現場を再調査している」

「はい」

特に言う事はない。お礼を言う事でもない。

「調査団ひいては騎士団は、全ての人民を護る為に

存在する組織だ」

相槌を打つ。アルバにもそう聞いた気がする。

意図を汲みかねる話が2つ続いた。


「ですが、あなたがその対象ではない、と判断する

団員もいる事を理解下さい」

前回の法廷で調査団の面子を潰した。その報復だと理解した。

別れの挨拶も無く、調査官は去った。


自己防衛するしかない。

部屋の掃除をした。ベットの下を丁寧に掃いた。

気休めかもしれないが、2つの安全対策を考えた。

梯子に鈴を付け、誰かが来ると鳴るようにした。

そして、ベッドの下で隠れて寝る事にした。

本当に暗殺者が来れば、これらは無意味だろうが。

護符を近くに並べて、汚い毛布に包まった。

疲労に押し潰されるように、意識が途切れた。

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