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マギア・フォレンジクス 〜スキルが真実を決める異世界法廷にロジックで抗う〜  作者: 里中 汪


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第9話 法廷の裏

ウルスラは店の奥へ姿を消し、紅茶らしき飲み物の

入ったカップを2つ持って来た。

片方を無言で差し出した。


「座りなさい」

促されるまま、近くにあった椅子に腰を下ろした。

「今日のあなたの弁護によって起きた結果は?」

「再調査と再審理ですよね」

「その前に“新米の弁護官助手”にメンツを潰された

のが断罪官と調査官よ。それより下だって公然と

示されたようなものだからね」

「そういう訳ではないと思うのですが」

「そもそも弁護官なんてものはね、犯罪歴が無くて

文字が書ければ誰でもなれるんだから。

断罪官と調査官からしたら、今日あなたは

最後まで黙って下を向く役だと思っていたはずよ」


出された紅茶らしきものに、恐る恐る口をつける。

ハーブティーのようなものだが、苦味が強い。

「それが法廷の習わしかもしれませんが、

エルディオを弁護する為には当然反論しますよ」

「そして、結審の延期により宮廷術師と王国軍の

両方の機嫌を損ねた」

「え?」

「今回の事件は身内の醜聞をすぐに処理したい術師と

紛争に魔術師をすぐに投入したい王国軍の2つの

思惑が強く働いていたの」

確かに、アルバはそう言っていた。

でも、弁護の事しか考えていなかったから

それらの思惑まで全く気が回らなかった。


「なるほど、理解できました」

「あなたの上司もどれかの思惑で 事故にあったのかも」

「それについては、仮説があります」

「へえ、面白いじゃない。まあ、他にも

敵に回した組織が身近にあるから、考えてみなさい」

「まだ、あるんですか…」

「裏を読みなさい。先の先まで想定しなさい。

でないとすぐに消されるわ。社会的か、物理的にね」


ウルスラは笑っているが、全く笑えない。

1回の弁護で周囲を敵だらけにしたようだ。

「そこで、アイツはあなたに護符が必要と考えた」

「すみません、護符って何ですか?」

「…やっぱり魔法も無知なのね。

護符は無属性の魔術師の一派が使う魔法具で、

中に術式が書かれていて、魔法が適宜発動するの。

1回しか発動しないけどね」

「そうなんですか」

「子どもでも知っていることだけど。

…護身用の護符を見繕うわ。アイツの後払いでね」


「護符は魔力が無い人間でも使えるんですか?」

「使えるわ。護符の発動条件を満たせば、ね。

だから魔法を扱えない貴族に人気で、この店は

こんな高級街に店を構えられるという訳。

言っておくけど、護符の魔法は普通の詠唱より

威力は大分落ちるわよ」

「護符の発動条件って何ですか?」

「基本的には、護符を開いた瞬間に発動するわ」


武器もスキルも魔法も扱えない身にとっては、

護符は救済措置のようにすら思えた。

お金さえあれば買えるのだから。

「使いやすい”結界”、”遮音”、”煙幕”、”拘束”を

3枚ずつ渡すわ。使い方は自分で試して」

「ありがとうございます」

「さっきからこの店の近くに見張りが1人と、

別口で2人組もいるから、気を付けてね」

「え?」

「魔法で検知したの。暗い道や人通りの少ない道は

避けた方がいいわよ」

「分かりました。ありがとうございます」

思ったより、危機的な状況に置かれているようだ。

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