第074話 休日
翌日、早めに起きると、朝食を食べる。
もちろん、メアリーは爆睡していた。
「ん?」
窓の外を見ると、アンジェラがおり、ラシェルを撫でていた。
そして、そのまま家に入ってくる。
「おはよう」
「ああ。早いな」
まだ7時過ぎだ。
「昨日は早めに寝たからね。メアリーは?」
「当然、まだ寝てる」
休みだし、ゆっくり寝るといい。
「最近、頑張っているみたいだしね」
「ああ。アン、朝食は食べたか?」
「食べた。お弁当も作ってきた」
ピクニック気分だなー。
というか、アンちゃん、何時に起きたんだろう?
「悪いな」
朝食を食べると、アンジェラが洗い物をしてくれたのでラシェルの世話をした。
そして、部屋で準備をすると、リビングに戻り、アンジェラが淹れてくれたコーヒーを飲む。
すると、メアリーが目をこすりながら部屋から出てきた。
「おはよー……」
眠そうだな。
「おはよう」
「おはよう。早いわね」
まだ8時前だし、休みの日にしては確かに早い。
「私は大人だから早起きなのさ。アンジェラちゃーん、私もコーヒーちょうだーい」
「はいはい」
アンジェラがメアリーの分のコーヒーを淹れ、テーブルに置く。
「おー、この苦みが目を覚まさせてくれる……」
ミルクと砂糖をガンガンに入れるくせに。
まあ、どちらかというと、そっちが正しいんだが。
「ご飯食べる?」
「後で自分で作るからいいや。もう出るでしょ?」
「コーヒーを飲んだらね。夕方までには帰るから」
「朝帰りでもいいよ。ふっ……」
何がふっ……だ。
「普通に帰るわよ。私、野宿とか嫌いだし」
メアリーはそういう意味で言ったわけじゃないと思うけどな。
「あ、野宿で思い出した。昨日、寝る前にちょっと考えたんだけど、エリックもアンジェラちゃんも一緒に王都に行かない?」
意外な誘いが来た。
「なんでだ?」
「ほら、王都のなんちゃらって大手の店と契約したでしょ。見に行こうよ。私も何が売ってるのか気になるし」
メアリーも魔道具屋の娘である自覚はあるんだよな……
「うーん……」
王都ねぇ……
「何の話?」
あ、アンジェラにはまだ言ってなかった。
「昨日、あれからちょっとメアリーと家の改修時期の話をしたんだよ。残っているのはそこの物置きと屋根なんだが、物置きはともかく、屋根の改修は家を出ないといけない。期間も2、3週間でちょっと長いから時期が難しいんだ。そしたらメアリーがカトリーナとシャーリーと王都に遊びに行く時期が良いっていう話をしたんだ」
「あと、かなーり大事な話をさらっとされたね……」
黙ってなさい。
「ふーん、それで私達もついてこないかって話ね」
「野宿が嫌いってワードで提案しちゃったけどね」
いや、それは本当にそう。
「まあ、王都に行くのは悪くないと思うわよ。水筒をどういう風に売っているのかも気になるし、向こうで売れている商品を真似してこっちで売っても良いしね」
確かにそういう市場調査は大事だ。
「2、3週間も店を空けるか?」
この町には魔道具屋がウチしかないんだぞ。
「その場合は商業ギルドに通達してもらった方が良いでしょうね。町の人も事前に言っておけば大丈夫でしょ」
それでもなー……
うーん……2、3週間はギリってところか。
「家の改修だから皆、納得してもらえると思うが……」
どうしようかな……
「パパー、一緒に行こうよー。旅費払ってよー」
メアリーの本音は最初からわかっているが、うーん……
「とりあえず、カトリーナとシャーリーにそれらを含めて相談してこい。あいつらも家の手伝いとかあるだろ」
肉屋のシャーリーはともかく、教会のカトリーナは仕事が多そうだ。
「そうするー。明日、話してくる」
「そうしろ」
俺とアンジェラはコーヒーを飲み終えたので立ち上がる。
「じゃあ、出てくるからな」
「うん。あ、コップを置いておいていいよ。まとめて洗うから」
コップを取ったアンジェラをメアリーが制する。
「そう? お願いね」
「お任せー。晩御飯はハンバーグだからね。あ、アンジェラちゃん、泊まってってよー。一緒にお話ししようよー」
「はいはい。じゃあ、行ってくるから」
「気を付けてねー」
俺達は裏口から外に出て、表に回った。
そして、ギルドに向かって歩いていく。
「メアリーに何か言った?」
アンジェラが聞いてくる。
「一応、話をしたかな? わかるか?」
「そりゃもう……今日、根掘り葉掘りね。カードゲームじゃなくて、お話しよーって言ってたし」
あー、そういえばそうだな。
「タイミングを見ていたんだが、逆に白い目で見られたもんで」
「タイミングなんていつでもいいわよ。メアリーは何か言ってた?」
「家を出ようかって聞いてきたな」
「アホね……気を遣ったつもりかしら?」
つもりなんだと思う。
「ちゃんといていいとは言っておいた」
「私が今夜、話すわ。これはエリックよりも私が話した方が良い。エリックはお友達と飲みにでも行ってちょうだい」
そうするか。
アーヴィンとローレンスを誘おう。
「チーズハンバーグは?」
結構、楽しみだったんだが……
「明日、パンにでも挟んで食べたら? 絶対に美味しいと思う」
そっちが良いか。
「そうする」
俺達は歩いていき、ギルドに向かった。
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