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元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~  作者: 出雲大吉
第2章

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第069話 自転車で作ろうか……


 俺達はどんどん遠くに進んでいく。

 途中、何人かの冒険者とすれ違ったが、メアリー達とは会わなかった。

 多分、俺達の方が早く森に来ているのだろう。


「なあ、エリック」

「何だ?」

「一応、聞くんだが、お前、火事の現場を知っているのか?」

「いや? 知らんぞ。そもそも森の奥に行ったこともない」


 オークを倒したところか、アンジェラと休憩した小屋までだ。

 そこもとっくに通り過ぎているのでもうこの辺は知らない。


「マジかよ。案内してくれているのかと思った」

「いや、お前が付き合えって言ったんだろ。というか、お前、調べてないのか?」

「森の奥としか聞いてない」


 まあ、それ以上、言いようがないわな。


「うーん……野営していたんだから道沿いだろ。このまま進んでいけば着くと思う」

「火事の後だからわかりやすいか……」


 結構、燃えたらしいしな。


 俺達はその後も歩いていく。

 出てくる魔物はすべてローレンスが倒した。

 見たことない大きなトカゲみたいな魔物やちょっときもい大きな芋虫もいたが、オークは出てこない。

 まあ、闇の三人衆があんなに倒したから数が減っているのだろう。


「お前、戦わねーの?」


 大きなトカゲから魔石を採取しているローレンスが聞いてくる。


「俺は魔道具屋なんだ」

「もうずっと戦ってないのか?」

「そういうわけでもないが……最近、アンジェラに付き合っているくらいだな」


 この前、大量の魔物を倒したけど、あれは漆黒の使者フルフェイス・マスクマンだ。


「それにしてはあんまり衰えているように見えないんだがな」


 それは俺も意外だと思っている。

 もっと衰えていると思ったし、ブランクが10年もあったのだが、かなり動けていた。


「食生活とかかもしれんな。まだ下っ腹も出てないし、バランスの良い食事を摂っている」


 アンちゃん、ありがとー。


「ふーん……まあ良いことか。ん?」


 ローレンスが何かに気付き、立ち上がった。

 奥から冒険者が歩いてきているのだ。


「あーん? エリックじゃねーか」


 冒険者は大斧を担いだジェイク坊やだった。


「ジェイクか。珍しく仕事か?」

「珍しくって何だよ。普通に仕事してるわ」


 ジェイクが笑う。


「それは結構。俺は付き合いだな。紹介しよう。俺の古くからの友人のローレンスだ」


 ジェイクにローレンスを紹介する。


「へー……あんたにアーヴィン以外の友達がいたんだな」


 どういう意味だよ。


「うるさい。そのアーヴィンと共通の友人だ」

「そうかい……俺はジェイクだ」


 ジェイクがローレンスに自己紹介する。


「俺はローレンスだ。世界中を回る旅をしていて、ミルオンの町に立ち寄った。俺も冒険者をしているし、よろしく頼む」

「ふーん……強そうだな。アーヴィンの野郎もだが、エリックもあんたも妙に変なオーラがあるんだよな」


 意外と勘が良いな、こいつ。


「ははっ、俺達も長く生きているからな。色々あるんだよ」


 そこまで生きてはいないが、ジェイク坊やよりかはそうだろうな。


「ジェイク、お前1人か?」


 子分共がいない。


「あー、今日は1人だな。だから森には入らず、街道を歩き回って、出てきた魔物を狩る感じだ」


 メアリー達がやっているやつだ。


「そうか。まあ、頑張れよ。お前に良いことを教えてやろうか?」

「あん? 何だよ?」

「今日、メアリー達はベティさんの薬草採取の護衛の仕事をしているが、それに神父さんが付き添ってるらしいぞ」

「うげぇ……じゃあ、神父と鉢合わせるかもしれないのかよ」


 街道を歩き回っていたらその可能性は大いにある。


「説教でも聞いてこい」

「帰ろ。やっぱりソロは危ねーな、うん」


 ジェイクは悪ガキのガキ大将なので当然、よく説教されていた。


「好きにしろ。それとジェイク、火事の現場ってどこだ?」

「あん? 見に行くのか?」

「どんな感じだったのかを見たい」

「野次馬かよ。この先を1時間くらい歩けば着くぜ。着いたらわかる。マジで辺りが炭になってるからな」


 まだ1時間も歩くのか。


「ラシェルを連れてくれば良かったな」

「あの馬なら魔物も倒せそうだな」


 こいつも子供の頃はよくウチの馬を触りに来ていたし、乗せてやったこともある。


「俺だけ歩くのはなんか嫌だぞ」


 ローレンスがツッコんでくる。


「歩けよ」

「従者みたいだから嫌」


 わからないでもない。


「まあ、1時間ほど歩くか。ジェイク、またな。仕事は真面目にしろよ」

「現在進行形でやってるわ。てめーこそ、野次馬してないで仕事しろってんだ」


 ジェイクは捨て台詞を吐き、帰っていった。


「町の人間か?」


 ジェイクの後ろ姿を眺めていると、ローレンスが聞いてくる。


「地元民だな。悪ガキでガキ大将だ」

「強そうだな?」

「実際、強いんだろ。ただ、図体だけじゃなく、もうちょっと大人になって欲しいもんだ」


 いっつもギルドでサボっている。


「俺らだってあの歳くらいは子供だっただろ」

「俺は大人だった。子供はお前ら」


 俺はスラムにいた時から大人びていたのだ。

 その辺はアンジェラと一緒。


「ひねくれてただけだろ」

「うるせーよ。行くぞ」

「はいはい」


 俺達はさらに奥に進んでいく。


「だるいなー……」

「確かにだるいが、お前は健康のために歩け。じゃないと、一気に来るぞ」


 それはそれで嫌だなー。

 しゃーないか。


 俺達はぐちぐち言いながら歩いていった。


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