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元暗部の英雄、再び暗躍する ~娘のために正体を隠して無双していたら有名になっちゃいました~  作者: 出雲大吉
第2章

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第058話 んなわけない


 ギルドに入ると、相も変わらず、悪ガキ共がテーブルでたむろし、盛り上がっていた。

 中には酒を飲んでいる奴もいるし、休みなんだろう。


 ばたんと扉を閉めると、悪ガキ共がこちらを見て、しーんとなった。

 とはいえ、ジェイクの姿も見えないし、こちらに絡んでくる様子はない。


「ごきげんよう」


 そう挨拶をして、受付に向かうと、悪ガキ共がひそひそと話し始めた。


「フルフェイス・マスクマンさん、こんにちは」


 受付にいるヴィオラが声をかけてくる。


「こんにちは」

「いやー、最近、お忙しそうですし、全然、姿を見せないなって思ってましたよ」


 なんで忙しいってわかるんだ?


「少し、王都の方に行ってきてね」

「はいはい。今日は来るんじゃないかなーっと思ってました」


 なんでそう思うんだ?


「君は大きな勘違いをしていると思う」

「そうですねー。今日は森ですか?」


 すごい棒読みの『そうですねー』だった。


「ああ。以前のことがあるので森の様子を見に行くだけだ」

「森と書いて娘……」

「何か?」

「いえ、あ、以前のことで思い出しましたけど、これ、どうしましょう?」


 ヴィオラが封筒をカウンターに置く。

 前も見た緊急依頼の報酬だ。


「これは?」

「あれ? 罠に引っかからない?」


 引っかかるわけがない。

 ここで『報酬はいらない』と答えたら『なんで中身が報酬って知っているんですか?』が返ってくる。


「何のことだ?」

「尻尾を出さないなぁ……この前の緊急依頼の報酬です。フルフェイスさんも魔物を倒してくれたんですよね?」


 まあ、正直、ギルドにはバレているだろうし、言っても良いんだけどな。


「倒したは倒したが、私はその依頼を受けていない。ちょっと森の方に行っていた帰りに遭遇したんだよ」

「メアリーちゃんに加え、アンジェラさんもいましたしね」


 うん。


「関係ない。ちょっとてこずってそうだったから手を貸しただけだ」

「ふーん……ところで、森の奥にかなりの数のオークの死体が転がっていたんですけど……」

「同士討ちだろう」

「あ、そうですか……まあ、確かに依頼を頼んでいませんが、協力してくれたことは確かなのでどうぞ受け取ってください」


 ヴィオラが封筒をこちらに差し出した。


「いや、結構。ギルドで飲みにでも行くといい」


 前に言った通り。


「本当にそれでよろしいのですか?」

「ああ」

「ふーん……アンジェラさんがちょー良い女に釣り合うちょー良い男って言ってた意味が少しわかりますね」


 あいつ、何言ってんだ?


「そんなことよりもちょっと聞きたいんだが、冒険者にはランクがあるだろう? あれは何だ?」

「ランクですか? ランクはランクですよ。ちなみに、フルフェイスさんはFランクです。頼めばEランクにして差し上げますけど」


 そんな簡単に上げてくれるのか?


「いいのか?」

「どう考えても実力がある方ですし、Dランクくらいは上げられます。あ、メアリーちゃんはダメですよ。実力的には上げても良いですけど、まだ経験が浅いので。あと、アンジェラさんはもっと仕事してもらわないとダメです」


 メアリーはちょっと不安なところがあるからな。

 アンジェラは論外だろう。

 そもそも上げる気もないだろうし。


「ランクが上がると良いことがあるのか? なんとなく、Aランク冒険者と聞くと、すごいってイメージなんだが」

「ランクが上がれば受けられる依頼の質が上がるんですよ。たとえばですが、今、メアリーちゃん達が護衛の仕事をしています。これはFランクでは無理です。パーティーの場合は平均値を取りますのであの3人が全員、Eランクになったので受けられるようになったって感じですね」


 なるほど。

 実力を伴わない依頼を受けさせないためか。

 ランクはそのための線引きなのだ。

 当然、ランクアップすれば儲かる仕事が増えるわけだ。


「Eランクで護衛の仕事を受けられるのか……Eランクでいいのか?」


 護衛って大変だろうに。


「今回は町の近くですからね。これが遠くの町に行ったり、泊まりがけとかになると、認めませんね」


 ふむ……


「パーティーの平均ってことはAランク、Bランク、Cランクの3人パーティーだったらBランクパーティーってことだな?」

「はい。依頼も個人でオーケーなものから複数人でやる依頼もあります。そういった指標のためですね。実はものすごい細かいルールがあるんですよ。まあ、これはギルドの仕事なので冒険者の方々に関係ありませんね。ただ、受けられる仕事をしてくれればいいです」


 なるほどな。

 アンジェラが15歳の時に護衛の仕事を受けたと聞いたが、その時のアンジェラはルーキーだし、間違いなく、FかEランクだろう。

 周りが高かったから受けられたわけだ。

 となると、メアリー達が高ランクの人間と組めば、あいつらも難しい仕事を受けられるわけか。


「参考になった。感謝する」

「いえいえ、いくらでも聞いてください。それとメアリーちゃんの場合はちゃんと確認に行きますのでご安心を」


 確かに確認してくるな……

 ランクアップの際もわざわざ店に来たし。

 ただまあ、ウチの子はちゃんと報連相ができるし、あいつが頼る姉貴分のアンジェラがチクってくれるから大丈夫なんだけどな。


「何のことかわからないが、確認は良いことだ。では、私は少し、森の様子を見てくる」

「いってらっしゃーい。森にはジェイクさんがいるのでお気を付けてー。なんか色々と根に持ってますので」


 あいつ、絡んでくるよなー。

 さてはフルフェイスのかっこよさに嫉妬しているな?


お読み頂き、ありがとうございます。

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