第027話 ちょー良い女のアンジェラちゃん
アンジェラが昼食を作ってくれたので食べると、午後からは通常の仕事をしていく。
夕方になると、アンジェラが買い物に行き、夕食を作ってくれた。
そして、今日は儲かったお祝いということで少し良い肉を使った料理を食べていく。
「エリック、そういえば、改築をするとか言ってたけど、どうするの?」
アンジェラが聞いてくる。
「まずは業者に見てもらって見積もりかな?」
今回の儲けもあるし、貯蓄もあるが、予算オーバーなら次の機会にしないといけない。
「じゃあ、明日はそれ?」
「まあ、そうだな。あ、ちゃんとボーナスは払うからな」
アンジェラは本当に頑張ってくれた。
「それはもらうけどね……」
この顔は何かを要求しようとしている……
「他に何かないか?」
「そうねぇ……冒険に付き合ってよ。最近、全然行ってないし」
そんな話もしたな。
「アンジェラちゃん、いつからやってないの? 私が冒険者になってから行った?」
メアリーが首を傾げた。
「どこぞの旅の人の案内で付き添ったくらいね」
フルフェイス・マスクマンね。
2回行ってるけど。
「行った方が良いと思うよ。勘が鈍っちゃうよ」
「最近は色々あったからね……だからエリックを誘っているの」
色々はほぼウチの店関係だから申し訳ない。
「エリックなんだ……アンジェラちゃん、そういうところは全然、変わってないね」
「何が?」
「いや、冒険者に声かければいいじゃん」
俺もそう思う。
「エリックが付き添ってくれるって言ったのよ」
「ふーん……子供の頃から全然変わってないわ。マウント取りとマーキングじゃん」
「何それ? んなのに興味ないっての」
「はいはい……エリック、大丈夫なの?」
呆れたように笑っていたメアリーが聞いてくる。
「ん? なんでだ? 普通に付き合うぞ」
約束してたし。
「いや、外なんか出て、エリックが大丈夫かなーっと。エリックこそ、まったく運動してないじゃん。ぎっくり腰になったら大変だよ」
そこまで歳じゃねーわ。
いや、ぎっくり腰は関係ないか……
「森に行く程度だし、問題ない。お前らよりかははるかに動ける」
「おじさんはそう言うんだよー」
運動会でコケるおっさんじゃねーぞ。
「ぎっくり腰になっても私が介護するから大丈夫」
アンジェラは優しい子だな。
でも……
「ぎっくり腰になれって聞こえた……」
俺も……
「とにかく、俺は大丈夫だ」
「ふーん、じゃあ、明日行っておいでよ。見積もりは私がもらっておくからさ。ブロックのおじさんのところでしょ?」
ブロックは大工のおっさんだ。
「お前らは行かないのか?」
「シャーリーが店の手伝いをするから休み。カトリーナは服を縫うんじゃないかな?」
シャーリー、良い子だな。
あの親父と口を利かない時期があったっていうのが信じられん。
「じゃあ、頼むわ。最低でも風呂の建付けだけは直したい」
「そだね。アンジェラちゃんは何かある?」
「エリックの部屋の窓が閉めづらくなってるわよ」
あー、そうかも。
「キッチンのことを聞いたのに嫌なことを聞いてしまった……じゃあ、それも」
「お前の部屋は大丈夫か?」
「床がぎいぎい鳴ることかな? それも見てもらうよ」
あちこちにガタがきてるんだよな。
まあ、タダ同然でもらった建物だから文句は言わない。
元々、空き家だったのだが、魔道具の店を開くと言ったら近くに住んでいたお婆さんが好意で貸してくれたのだ。
そのお婆さんに家賃を払っていたが、数年前に亡くなられ、遺言でそのままもらった経緯がある。
旦那さんを先に亡くされた人だったが、メアリーの面倒も見てくれたし、本当に良い人だった。
「そうしろ。他にもあったら見積もりをもらってくれ。それを見てからどこまでやるかを考えるわ」
「了解」
俺達はその後も話をしながらお祝いをしていき、1日を終える。
翌日、朝起きると、ラシェルの世話をし、朝食を作った。
そして、自分の分を食べ終えると、まだ寝ているメアリーへの書き置きを書く。
すると、コンコンという音が窓から聞こえたので見てみると、裏庭にアンジェラがいたので手招きをした。
裏口はラシェルの世話をした際に開けたのだ。
「おはよう。メアリーはまだ夢の中?」
いつものギャル挨拶じゃない。
これは機嫌がかなり良い時だ。
まあ、普段が悪いわけでもないのだが。
「今日は休みだからな。お子様はよく寝るんだ」
正直、俺も眠いけどな。
「起こした方が良い?」
「いや、寝かせとけ。それよりも早いな」
俺、まだ準備ができてないぞ。
「私は大人だから」
はいはい、ちょー良い女。
「ちょっと待ってくれ。洗い物をしたら準備をする」
書置きを書き終えたので立ち上がる。
「私がやるわよ。エリックは準備をしてちょうだい」
「悪いな」
良い子だなーと思いながら自分の部屋に行き、準備をする。
「さすがにライトセイバーはやめておくか」
メアリーにあげたが、なるべくフルフェイス・マスクマンとの共通点はなくした方が良い。
それにあの森ならダガーで十分だろう。
準備を終えると、リビングに戻る。
すると、アンジェラが2つのカップをテーブルに置いているところだった。
「コーヒーを淹れたわよ」
「ありがとう。本当にちょー良い女だな」
礼を言いながら席につく。
「当然でしょう」
アンジェラがご機嫌にコーヒーを飲み始めたので俺も飲み始めた。
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