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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

闇夜の声

作者: タカユキ



帰り遅くなっちゃった。

私はバイトが忙しくなり、残業で帰りが遅くなってしまった。


暗闇が私に襲いかかり不安を募らせた。


何もない空間なのに、何かがいるのかと錯覚させるほどの畏怖を抱かせた。


今度から自転車に乗って来よ。歩いては無理。怖すぎる。


子供の頃に変質者に襲われた事があって、そのトラウマで怖いの。

断ればよかったな。人が良すぎる私。


でもこの前おじいちゃんのお葬式で休み貰ったから。仕方ない。


そう思いながら夜道を歩いた。


少し歩いたところで、何か声が聞こえた。


お~い


男の人の呼ぶ声がした。

振り返るが誰もいない。


怖っ、誰よ?

こんな時間に大きい声出さないでよ。


スマホを取り出し確認すると、もう21時だった。


この時間なのに真っ暗すぎる。私はため息を付きながら、さらに歩いた。


お~い


また声だ。後ろを振り返る。誰もいない。

漆黒の空間だけである。


そうだ。スマホのライトをつけて歩こう。



少し怖さが薄れて来た。その時足音がドンドンと聞こえてきた。


また振り返る。やはり誰もいない。

けど、明らかにすぐ近くで聞こえた。


どういうこと?

前を向くと背後から、お~いとまた聞こえる。


ひぃー私は恐怖で体が震えてきた。

走ろうかと思ったが、身体が動かない。


涙が溢れて来た。怖いよ~その時、肩を叩かれた。


えっ?

と思い後ろを恐る恐るみる。


誰もいなかった。私はパニックになった。

どうなってるの?

何が起きた?


なんで誰もいないの?


前を向いた、またお~いと聞こえた。

いい加減にして、私はもう次なにもなければ振り返るのは辞める。


そう決意して後ろを振り返ると、あみタイツを被った男の人がいた。


私は吐き気を催した。すぐに私は、その場から逃げ出した。なりふり構わず全てを投げ捨てその場から逃げた。





はぁはぁ。私は涙が止まらなかった。怖いよぉ。誰か…助けて…お願い。


もう嫌、警察に…連絡しよう。


ない…スマホ落としたんだ。パスワードついてるけど、不安…またあの場所には行きたくない。どうしよう。


少し迷ったが、戻りたくない気持ちが優っていた。


そう言えばなんで気がつかなかったんだろう。

おーいって聞き覚えのある声だ。


その時足音がドンドンと聞こえた。

あのあみタイツ男だ。逃げようと思い前を向いたが、間に合わなかった。


私は男に捕まってしまった。


いやー私は草むらに連れ込まれた。だけど必死に私は抵抗した。


そうだ、あみタイツだけでも、取ってやる。顔が分からないと通報が…怖すぎる。


けど…やらなきゃ。そう思ったのは、過去の子供の頃のトラウマからだ。


変質者はその時お面を被っていた。


だからこそ今回は顔を確認しなければ、また捕まらないのではと考えたからだ。


抵抗するな。とあみタイツの男は怒鳴った


私は抵抗を辞めた。


良しいい子だ。


今だ!


殺されるかもしれない…でもここで取らなければもう無理だろう。



私は勇気を振り絞り男のタイツを剥ぎ取った。


あみタイツを取った男の顔は、バイト先の店長だった。


なんで…店長が。


バレたか…ずっとこうしたかったんだ。

店長は微笑を浮かべた。


いや…やめてください。お願い。


その時お~い。美嘉と呼ぶ声が。


おじいちゃん?

おじいちゃんの声だ。


なに!

この前亡くなったんじゃなかったか?


嘘ついてやがったな。

ちくしょう。


そう言って店長は逃げだした。


おじいちゃんだったんだ。私を怖がらせる為じゃなく、助けるために。


後日私は親に相談し、警察に通報した。


店長は、逮捕され、動機について、密かに彼女に恋心を抱いていたと説明した。


店長は美嘉のために夜遅くまで開店し、彼女の行動を詳細に監視し、知らない男性と接触するとその男性を日々監視する。


これは過去に愛した人を守れなかったトラウマから来ている。彼女を失うことの恐怖が、彼を異常な行動へと駆り立たてていた。



私は墓参りに来ていた。


いつもおじいちゃんおーい美嘉って呼んでたね。



おじいちゃん天国から私を見守ってくれてありがとう。


家族皆でお祈りし、おじいちゃんに感謝した。

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