表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載エッセイ】宇宙人のひとりごと  作者: しいな ここみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

399/485

フォークリフトと自動車の運転

 たまに荷積みに行く倉庫に、女性のフォークリフト運転手がいる。

 たまに男性のリフトマンが積み込みしてくれるが、大抵はその女性のほうがしてくれる。


 このひとが実にうまい。


 見ていてちっとも不安になることがない。

 男性のほうは荷物を落とすんじゃないかと不安になることがあるが、女性のほうは少しもそんなことがない。


 しかも速い。


 リフトをくるくる回転させ、荷物にスムーズに爪を刺し、荷台に上げる時もサックサクだ。


 その倉庫はとても狭い。

 私だったらおそるおそるじゃないと動けない。どこかにぶつけそうになってしまうに違いない。

 そんな狭い倉庫の敷地内をスピーディーに動き回り、どこにもぶつかることなくサクサクと仕事をしてくださる。


 お陰様で出発が早くなって助かっている。





 その女性リフトマンに荷物を積んでもらっている時のこと──


 その倉庫の事務員さんらしき女性が、自分の乗用車が出せなくて困っていた。

 私の停めたトラックの前に停めていたのだが、車を出す時に私のトラックにぶつけてしまいそうで怖いと仰るのだ。

 私がトラックを動かそうにも荷積み中で、動かせる状態ではない。


 事務員さんらしき女性が「ねー、◯◯さん。出して」と、リフトマンのお姉さんにお願いした。


 リフトマンのお姉さんが乗用車に乗り込んだ。

 トヨタのヤリスだ。前後のスペースはまぁまぁあるし、コンパクトカーなので数回切り返せば出せるはずだ。


 しかしリフトマンのお姉さん、驚いたことに、乗用車の運転は、じつに下手だった。


 左にハンドルを切るべき時に右に切り、身体を硬直させて前後をキョロキョロする。

 そんな切り返し方じゃ永遠に出せないどころか、かえって絶望的な状態になっちゃうよ……。



「私、やりましょうか?」


 思わず私が手を挙げた。




 思った通り、3回切り返しただけで簡単に抜け出せた。

 お姉さんが絶望的な状態にしかけてなかったら、たぶんもっと簡単に出せただろう。



 あんなにフォークリフトの運転は上手いお姉さんが、乗用車の運転は下手だなんて──



 まぁ……、確かに……。運転感覚は違うといえば違うけど……、それにしても……





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ