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【連載エッセイ】宇宙人のひとりごと  作者: しいな ここみ


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消えたたけのこ

 広島県の山の上にある工場へ荷下ろしに行きました。


 フォークリフトで下ろしていると、工場長が出てきて──


「たけのこ、いらんか? 持って帰りんさい」


 どうやら近くで採って来られたらしく、伸ばした段ボールの上にたけのこがどっさり!


「要りますっ! たけのこ大好きなんでっ!」


 遠慮なくいただきました。


 根菜の中では何よりたけのこが好きです。

 前にもどこかに書いた気がしますが、筑前煮に一番たくさん入っててほしいものといえば、何といってもたけのこです。


 いただいたビニール袋に3本ほど入れて、ホクホク。


「もっと持って帰りんさい」と言っていただけましたけど、さすがの私でもこれ以上は食べられない。


 ニコニコお礼を言って、トラックの真ん中の席に置きました。



 それから延々、長距離仕事で帰れませんでした。


 ようやく帰れる! と思ったら、トラックに不調が出て、修理に持って行くことに──



 修理工場で4時間待って、ようやく帰れることになりました。


 車庫に帰って、書類をまとめ、荷物をまとめ、さぁ、たけのこを──


 ……ないっ!


 真ん中の席に置きっぱなしだったたけのこが、消えていました。

 修理の時にキャビンを上げるので、落ちてるなら前のほうへ動いてるはず。

 助手席の足下を見ても、ない……。

 もしかして修理の人が後ろに退けてくれたのかも? と思ってベッドを見ても、ない……。


 仕方なくたけのこを持たずに部屋に帰りました。




 あのたけのこは……どこへ?


 考えられるのは──


 修理工場のひとに、盗られた──


 いやいや! 自分を百ぺん疑ってから初めて他人を疑いなさいとひぃおばあちゃんから言われています!


 自分のボケ?

 いつの間にかどこかに動かしといて記憶がない?


 とにかく──

 たけのこは消えてしまいました。


 ゴールデンウィークはたけのこ尽くしだと楽しみにしていただけに、がっくり……。






 で──



 今、見つかりました。



 なぜかシートとドアの隙間に挟まっていました。



 ビニール袋に入れっぱなしだったので、汗をかいてる……。

 いただいてからもう3日ぐらい経ってる上、少なくとも明日までは仕事なので、アクが抜ききれるか心配……。


 まぁ、ともあれ、あってよかった!



 そしてやっぱり、ひぃばあちゃんの教えは正しかった。




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