最近、名作と呼ばれる古いホラーをいくつか観ました
悪魔のいけにえ(1974年作品)
ないわ……。なぜにこれが名作??
単に狂った家族が笑顔や人皮マスク顔で人殺しするだけの話。主人公なし。
序盤の兄ちゃん登場シーンが一番怖かった。あと後半の女性が恐怖する顔をしつこくどアップで撮影するのは斬新だったし面白かった。
仄暗い水の底から(2002年作品)
ジャパニーズ・ホラーの隠れた名作みたいに言われてるので視聴。
印象に残らなかった。
原作者の鈴木光司さまは好きだけど、中田秀夫監督で気に入った作品は皆無。相性が悪い?
サスペリア(1977年作品)
センスがいかにも70年代という感じで好み。だけど安っぽい。手作り感満載。血の色がポップに赤い。
主人公がめっちゃかわいかった。今風のメイクとファッションさせたら今デビューしても売れると思う。
死霊のはらわた
1981年のオリジナルを観たかったけど300円払わないといけないので躊躇。代わりに2023年の『死霊のはらわたライジング』を視聴。退屈だった……。
お母さんが取り憑かれる前のほうが怖くていい味出してたのに……。
狂った一頁(大正15年)
これが一番よかった。
大正15年にこんな音楽あったんや!? と思ったら音楽は50年近く後になって監督がつけたものらしい。元々はまったくの無声映画で字幕すらなし。ただ、公開当初は講談師が説明を加えてたらしい。ないほうがいいよね! 音楽はあったほうがいいと思った。音楽があるからミュージック・ビデオみたいにも楽しめる。
舞台は精神病院? とにかく視覚的描写で攻める! 攻める! 笑う能面に悲しくなる!
この映画を観て、今までどうにもわからなかった『魂』という言葉の意味がわかったような気がした。演技でしか表せない世界なのに演技臭さがまったくない。すべての役者さんから本気の……なんていうか魂みたいなものを感じた。
何よりダンサーの女性がすげぇ! テクニックということでは現代の前衛ダンサーのほうが凄いんだろうけど、やはりここにも素を感じさせない『魂』みたいなものを感じた。何かが憑依していた。『めちゃくちゃな動きに見えて、めちゃくちゃを表現している』と思った。
しかし当たり前なんだろうけど、制服以外の人物がすべて和風なのにびっくり。
100年前の映画ということと、川端康成さんと私が尊敬する横光利一さまが製作に関わっていることから贔屓目が入ってしまっているかもしれない。ちなみに言葉を完全に取り除こうと主張したのは横光利一さまだったらしいが、講談師のお陰でぶち壊しになってしまったらしい。また、横光利一さまの小説はこの映画から逆影響を受けているらしい。わかる! 映像の狂い方とか鮮烈なイメージの動かし方とか、いかにも横光利一さまだ!
素晴らしい映画だった。おすすめ!
ただしこれ……ホラーじゃねぇだろ……。
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