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【連載エッセイ】宇宙人のひとりごと  作者: しいな ここみ


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最近私が泣いた理由

 かなりくだらないと思いますが聞いてください。



 久しぶりに泣きました。

 仕事が隙間なくギッチギチで動いていて──

 朝5時から動いて9時半にちょっと一息ついて、そこからすぐに片道10時間の長距離仕事。


 朝は4トントラックでの仕事でした。


 車庫に帰って自分の10トン車に乗り換え。


 あぁ、楽しみがない……。



 そうだ……


 4トン車だったら大抵のコンビニには寄れる。


 コンビニでおビールを買って、今夜寝る前に10トン車の中で飲もう!


 そうだ、そうだ、そうしよう!


 車庫に帰る前にコンビニに寄っておビールを買いました。

 どうせなら美味しいのを飲もう。

 500mlで400円ちょっともするエビスの香るやつを買いました。

 呑む頃にはぬるくなってるだろうけど、知覚過敏が治りかけで歯がまだ痛いからちょうどいい。

 買ったおビールをリュックに入れて、4トントラックで走りはじめました。そこから車庫まではほんのすぐ。

 走りはじめた時に『ゴロン』と何か重たいものが転がるような音がして、何だろう? と見たら、助手席の足元に金属のジャッキが置いてあり、それか転がったんだろうと納得して車庫へ帰りました。


 10トントラックに乗り換えて、出発。


 7時間ほど走ったところで今日は休息。

 家から持ってきたお弁当を出しました。


 そして今日の唯一のお楽しみ!


 おビール、おビール!


 リュックの中を見ると、ありませんでした。

 中のものを全部かき出してみたけど、どこにもありませんでした。



 なぜ、あの時の『ゴロン』という音が、おビールの転げた音だと思いもしなかったのだろう、私は──


 まぁ、アホだからだな……。


 そう思ったら涙がぽろっとこぼれました。


 唯一の今日のお楽しみを、自分のアホが原因で、手の届かないものにしてしまった……。


 今朝乗った4トン車はみんなが使う車。

 誰かにあのおビールは発見されて、そしてどうなるのだろう……。それとも運よく誰も気づかず、私が無事回収することになるのだろうか……。


 どちらにしろ今夜、私はあのおビールは飲めないんだ……。


 ぐすん──


 大切なものを失ってしまったような気持ちになって、泣きました。





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― 新着の感想 ―
大丈夫、きっとビールの精が迎えに来ますよ( ノД`)シクシク…
切ない…! 元気だしてください…泣
う~む、これは確かに勿体ない事になりましたね。 後日になってから、上手い具合に回収出来ると良いですね。
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