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【連載エッセイ】宇宙人のひとりごと  作者: しいな ここみ


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私が運転好きになった理由

 日帰り温泉に行こうと昨日から決めてました。


 この前行った小さな温泉施設のお湯がとてもよかったので、そこ一択で。


 年末なのでもしかしたら閉まってるかも? とネットで確認したら営業中。


 車で30分以上かかるのですが、ドライブついでの感覚で出発しました。





 とんでもなく狭い山道を登って行った先にあります。


 くねくねカーブだらけの上に、ところどころ対向車が来たらすれ違えないほど狭い。


 昼間だけどヘッドライトを点けて、対向車にいち早く気づいてもらえるよう存在アピールをしながら走りました。


 この前行った時はばんばん対向車がやって来て、しかも無灯火の上、なんにも考えてないようなスピードで突然前から現れてくれました。


 それをスムーズにかわしながら走る私、「さすがプロだなぁ」などと呟きながら走りました。


 まぁ、車がワゴンRですからね。



 前に行ったのは日曜日でした。今日は平日だからか、対向車がまったくやって来ない。


 狭い山道をスイスイと登りながら、ふと思い出しました。


 10年ぐらい前、こんな山道をスイスイ走っていて、同乗していた二人の友達から言われたことを──


「信じられん!」

「しいな、運転うまいわ!」


 褒められるのって、いいですよね。

 鼻高々になって、『だってあたし、運転大好きやもん♪』とか思っていました。




 そんなことを思い出したら、もっと古い記憶を辿りたくなりました。


 そもそも──


 どうして私は運転するのが好きになったんだっけ?


 記憶を辿るとバイクが出てきました。


 ヤンキー漫画が大好きだった私は中学生の頃、従兄弟の兄の乗っていた原付バイクを運転させてもらっていたのです。(もちろん無免許でしたが、もちろん時効です←)


 バイクでブレーキやアクセル、クラッチ、体重移動など操作のコツを覚えましたが、免許を取って自分のバイクを持った頃には色々と事故りました。

 対向右折の乗用車に跳ねられ、夜の峠道で派手にコケて不気味な獣の鳴き声に怯え、左折の乗用車に巻き込まれ、中古で買ったボロバイクが直進中に突然真っ二つになって投げ出され──それでもバイクに乗り続けました。


 バイクの楽しさは、なんといってもカーブです。

 下手なくせに峠道が大好きだった私は、よく山道をブッ飛ばしに行きました。

 自分より速いものなし! とイキって走る私を横からインプレッサWRXが悠々と追い越して行きましたが、おかげで少しだけ謙虚になれました。


 うーん……。


 あれで私、なんでこんなに運転が好きになったんだっけ?


 結局は友達二人に言われたことに戻ります。


 褒められたから、チョーシこいたんですね。


 そう言われるほどになったのは、バイクや車でブンブン無茶な運転を積み重ねているうちに、足りない頭でも色々と学習したからですが──


 それまでは褒められたことなんてなかったんです。


 どっちかというと「あんたは運転下手だねぇ(母談)」「おまえは運転メチャクチャだな(従兄弟の兄談)」などと、低評価だったんです。


 それが友達二人から、初めて褒められた!


 あぁ……。


 アレから思ったんだっけな。


『私の天職は車の運転だ!』

『いつか大型トラックのドライバーになるぞ!』と。




 そして私は本当に大型トラックドライバーになりました。

 やっぱり褒められるのって、いいですよね。

 人生変わる。

 いいほうに変わったのか、悪いほうに変わったのかはわからんけど……。


 今でも自分は運転うまいなんて思ってはいません。

 どんくさいです。

 でも、師匠と呼んだある人から色々と教わったりして、意識高い系にはなっていると思っています。

 自分は運転がうまいなんて思ってしまったらおしまい。それ以上の成長はなくなる。

 もっともっと上達したいと思っています。

 それはもちろん、昔の自分みたいに峠道をブッ飛ばせるという意味ではなくて、私が走れば周囲の交通がスムーズかつ安全になるような上達をしたいと思っています。


 そして褒められるのはやっぱり快感。


 降ろし先で私の大型トラックの運転を「今まで見た中で一番うまいわ!」なんて言われると、増長しそうになってしまいます。


 そして結構言われるんです。(エッヘン)


 逆に「やっぱ女はヘタクソだなぁ」ともよく言われ、どっちを信じたらいいのかよくわかりませんが……。





 とにもかくにも、バイクや車の運転が好きです。


 2日で1,700kmを仕事で走らされても、フラフラにはなるけどまた乗りたくなります。


 さぁ! ハードな運行でピシピシ軋む身体を癒しに行くぞ!


 日帰り温泉をめざしてくねくね山道を走りました。


 それにしても対向車が1台も来ない。


 これは今日は温泉客も少ないかな? 貸切状態だったらいいな。


 でもじーさんばーさんは平日でも暇だから来てるかも? と考えて、「いや、じーさんおっても関係ないやろ」とセルフツッコミ。




 着くと、駐車場に車が1台もありませんでした。


 やったー! 貸切状態だ!


 そう思ってすぐに入口の貼紙に気がつきました。



『12月23日から1月3日まで休みます』



 ……ネットに書いとけよ!





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― 新着の感想 ―
まあ、夜の山道をドライブできたと思えば。(笑) >中古で買ったボロバイクが直進中に突然真っ二つ 私の友人にも高速走行中にフロントタイヤがすっ飛んでったヤツがいましたが、それよりヒドイ!(笑)
そんな……殺生な( ノД`)シクシク… もう庭を掘るしか……。 それにしても普通なら何回か死んでますね(-_-;) よほど強力に守られているのか、あるいはその逆か……。 私はもう死ぬまで運転するつもり…
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