商品以前の質のものの値段
近くのスーパーの惣菜コーナーに【訳あり】と併記された春巻が売っていました。
色が真っ黒……。
なんか湿ったようにしなしなとしてる……。
買いました。
だって10本入って200円というお値段だったから。
買って車の中でまず食べようと思ったら──
つまみ上げた途端に崩れようとする。
へにゃへにゃ!
実際、持ち上げたら真っ二つに折れました。
味はまぁ、ふつうに美味しかったのですが……
べつに「春巻は皮パリパリじゃないと意味がない!」なんてこだわりも持ってはいないのですが、それにしても……
これ、商品レベルじゃないよな?
だってお箸で持ち上げようとしたら途中で真っ二つに折れてぼとりと落ちるグロいレベル。まるでゾンビの春巻。
油でべちゃべちゃだし……。
何かフライヤーの不調とか、出来上がった春巻が大量に濡れてしまったとか、どういう訳があったらこんな不良品がこんなに大量に出来てしまうんだろう。
ちなみに20本入り400円のパックもありました。
その日だけの商品かと思いきや、一週間後に行ってもありました。
定番商品にするつもりか?
正直200円でも高い気がするんだが──
いわば小説家が途中で投げ出した失敗作を商品にしたようなもの。
そんなもの、商品価値など──
いや、なんか失敗作を商品にして売ってる創作作品、なんかあったような気がする……。
しかもそっちは失敗作だからといって値段が安いわけでもなかったような……。
そっちの場合、作者さんに価値があるのか?
その作者さんが創作したものなら、失敗作でも商品価値があるというわけか?
なら、あの春巻も、作ったおばちゃんだかオッチャンだかが有名なひとで……いや、それはきっと、ないだろう。
何が言いたいかというと──
自分でもわからない。
つまり、このエッセイは、商品価値のない訳あり春巻のようなものである?
そんなつもりはなかった!




