推敲はしないほうがいいの?
昔、詩を書いていた時は、めっちゃ時間をかけて推敲していました。
推敲というよりは彫琢? 必ず最初に書いたよりも、それは短くなっていました。
たとえば次のような詩を最初に書いたとします。
朝のまぶしい光に目が眩んだ
優しい月光が懐かしくなった
推敲すると次のようになります。
朝めくらまし
懐かしむ月光
さらに推敲を重ねて、完成形は次のようになりました。
朝めくり
なっ月ー
もはや意味不明ですが、それでよかったのです。意味よりも音の面白さを優先していました。どうせ私のイメージしたものがそのまんま伝わるわけはないですし、でも形はそのまんま伝わるものなので。
四千文字ぐらいの詩が、推敲すると千文字ぐらいになっていました。
小説を推敲すると、私は必ずといっていいほど、元より長くなります。
小説は詩と違って、意味が伝わらないといけないので、『あっ、ここ、わかりにくいかな』と思うと、ことばを足してしまうのです。
四千文字ぐらいの小説を推敲すると、五千文字近くまで増えます。
それで完成度が上がったかというと──
正直、なんだか読むのがめんどくさい小説になったなぁ……と、自分では思います。
それでもせっかく推敲したからにはその形で投稿しますが──
そういうちゃんと推敲した作品にはあまりポイントがつかないという印象があります。
自分で読み返しても、推敲ゼロの一発書きの小説のほうが面白い。
不足はありありで、むしろスカスカって感じなんだけど、それがかえってテンポの良さを産んでる気がする。
推敲って、しないほうがいいものなのでしょうか?
……悩む。