表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載エッセイ】宇宙人のひとりごと  作者: しいな ここみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

302/485

どうぶつに好かれるひと、嫌われるひと、無視されるひと

 私はどっちかといえば、どうぶつに好かれます。

 公園のベンチに座っていれば、いつの間にか隣にねこが来てるし、はじめましてのわんこから恋する目で見つめられたりします。


 でも、世の中には、指を立てればそこに小鳥がとまってきたり、歩いているだけで後ろをマーモットがついてきたりするような、めちゃめちゃどうぶつに好かれるひとがいると聞きます。

 私はそれほどではなく、ふつうレベルだと思います。なついてくれない子にはトコトン嫌われたりもします。




 うちの父はどうぶつから嫌われるタイプです。

 とにかく威圧的な雰囲気をまとっていて、産まれたばかりの子犬をビニール袋に入れて捨てたりするひとですので、どうぶつもそれを感じ取るのか、道端でねこに出会ったら威嚇されてます。

 まぁ、父もどうぶつが嫌いだと思うので、両想いならぬ両嫌いなので、いいと思うのですが──


 従姉妹のSちゃんもどうぶつに嫌われるタイプです。

 でもSちゃんはどうぶつが大好きなのです。

 見ていてかわいそうになります。私の飼っていたねこが、他のひとには誰にもなつくなのに、Sちゃんにだけは、見ただけで威嚇して、シャーといいながら逃げて行きました。

 たぶん、好きすぎるあまりにかまいすぎるからだと思います。

 どうぶつも、あまりにしつこくベタベタしてくる人間のことは、その好意をかえって迷惑に思ってしまうのでしょうか。



 昔、シェルティーを飼っていました。

 毎日私が散歩に連れて行きました。日曜日の小学校に行くと、お休みなのに小学生がいっぱい校庭で遊んでいてたので、そこに入っていきました。

 後に先生から「犬を校庭に連れて入るのはやめてください」と厳しくいわれて行かなくなりましたが、リードから離すと小学生たちとうちのシェルティーくんがそれは楽しそうに追いかけっこをするのが見れました。


「こっち! こっちだよー!」


 そう言って『おいでおいで』をする女の子を見ると、その子のほうへ笑顔で駆けていくわんこ。


「おーい! こっちだー!」


 勇ましく挑発する男の子がいると、プロレスごっこをするように突進して行って、胸の中に飛び込むわんこ。


「おい! おい!」


 太った男の子が、自分のほうにも来てほしそうに、うちのわんこを誘いますが──


「いぬー! こっちこい! こっちだぞぉー!」


 太った男の子は笑顔ですが、うちのわんこは白けた顔で、けっしてその子のほうを向きませんでした。

 その子のほうから近づいてきたら、顔を見もせずサッ! と逃げるように前へ走りました。




 どうぶつからその存在をスルーされてしまうタイプって、いるんだなとその時初めて思いました。

 確かにその子、必要以上にはしゃぎすぎるタイプには見えましたが、べつに危険な香りがするとかは感じませんでした。


 うちのわんこにはもしかしてその子が見えていなかったのでしょうか……。


 そんな印象でした。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 その男の子、しいな先生だけに見えていたかもしれませんね。  わんこ以上の霊感女子!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ