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【連載エッセイ】宇宙人のひとりごと  作者: しいな ここみ


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犬 vs大型トラック

 鹿児島県の山の中を大型トラックで走っていた時のこと──



 カーブを曲がると、犬の後ろ姿が見えました。

 犬種はわかりませんが、足の短くないブルドッグみたいな、茶色いわんこでした。

 彼 (たぶん)はそれまでもずっと左側の路肩をゆっくりと走っていたようですが、私の乗る大型トラックの接近を感知すると、走るその速度を上げたように見えました。


 太めの四肢を力強く動かして、ドッ! ドッ! という足音のするような走り方で、私をチラチラと軽く振り向きながら、私と競争をはじめました。


 何が彼の闘争本能に火をつけてしまったのか──わかりませんが、勝てるわけのない勝負を大型トラックに挑んできたのです。


 危ないので私はサッサと抜こうとスピードを少し上げました。スピードを落としたら『勝てる!』と思った彼が何をするかわからなかったのです。


 彼は思いのほか速く、サッと抜くということができず、並走状態になりました。


 すると何を思ったか、彼は私のトラックを横目に見ながら、私のほうへ近寄りながら、つまりは車道を走り出したのです。


 その時、対向車がやってくるのが見えました。お母さんが乗るような乗用車です。お母さんからはカーブの先の死角になっていて、たぶんわんこは見えていません。


「わんこーっ! 歩道に戻れーっ!」


 叫ぶだけで、クラクションを鳴らすことはできませんでした。鳴らしたらびっくりしたわんこがその場で立ち止まってしまうかもしれないと思ったので。


「うわーっ! 轢かれるーっ!」


 ハラハラしながらも私はそのまま走りました。歩道に戻ってくれと願いながら。なんとかわんこを追い越しました。


 すると勝負に負けて諦めたのか、それともお母さんが前から来ることに気づいてくれたのか、わんこは大人しく速度を緩めながら歩道に戻ってくれました。




 首輪はしっかりついていました。


 飼い主〜! ちゃんと繋いでおいてくれ!






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― 新着の感想 ―
 無事でよかったです。  その町の主である妖狐とかが、縄張り内の動物に交通安全教えといてくれればいいのに。
[一言] キチンとリードで繋がれていない犬は、どう動くか分かりませんからね。 車道を走った末に車に轢かれるかも知れませんし、逆に行きずりの通行人にぶつかったり噛んだりと加害者になってしまうかも知れませ…
[一言] えええそんなことあるんですか…! ワンコ…! なんでそんなところを走っていたのか…( ̄▽ ̄;) ひかれないで、ちゃんとお家に戻ってくれてるといいですね…。
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