表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載エッセイ】宇宙人のひとりごと  作者: しいな ここみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

214/489

すきやきに絶対に必要なもの

 今夜のごはん、何にしようかなあ……。


 そう思いながら、スーパーマーケットの中を歩いていました。


 冷蔵庫に何があったっけ?

 豆腐、たまご……。


 野菜コーナーを見ると、見切りの春菊が40円と激安でした。その隣には1/4カットの白菜が30円。


 こ……、これは……


 すきやきをしろ、と神様が命じているのだな?


 お肉コーナーへ行くと牛肉の細切れが半額になっており、御神託を確信しました。





 皆様はすきやきに絶対に必要なものって何だと思われますか?


 お肉? たまご? ワリシタ?


 人それぞれその答えは違うでしょうが、私はこの時に思い知りました。自分にとっての、すきやきに絶対に必要なものを。




 帰って、すきやきの用意をはじめて……


 気づきました。




『糸こん買ってくるの忘れた〜〜〜!』




 買ってこようかどうしようか迷った末、まぁ、いいやと思いながらすきやきを作りはじめました。

 白菜、お肉、豆腐、春菊、たまご、これらさえあれば立派にすきやきになるだろうと思って──

 思って、いましたが、大間違いでした。


 足りない……。


 足りない……!


 これはすきやきじゃない! 何かべつの鍋料理だ!

 びよ〜んとした、独特の弾力のある、あの、糸こんにゃくが足りないだけで、すきやきじゃないものになってしまった!!




 白菜もお肉も春菊もお豆腐も使い切れなかったので、次の日もすきやきをしました。

 今度はちゃんと、糸こんも買ってきて。




「これだ! これこそがすきやきだよ!」


 糸こんをびよ〜んと鍋から掬いあげながら、私は糸こんにお礼をいいました。


「ありがとう、糸こん! 君のおかげで私は大満足だ!」




 糸こんにゃく──それは名脇役のように見えて、じつはこの世の主役なのかもしれない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  どんぶりチェーンにはありませんが、牛丼に糸こんにゃくはいってるのも、美味しいですよね。  濃い煮汁がしみこむのがいいのよ。
[良い点] 「糸こん」ってもしかして、しらたきのことでしょうか?(*´▽`*) こちら、関東ではしらたきって呼んでるかもです。 私も同じです! しらたき、だーいすきです!!(*ˊᵕˋ* )
[良い点] 歯ごたえのある糸こんにゃくが入っていると、食感が変わって良いアクセントになりますね。 それに糸こんにゃくは低カロリー食品なので、脂肪分が多くてカロリーの上がりがちなすき焼きに入っていると栄…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ