コンビニでほっこりした話
大型トラックで急いでコンビニへ。
昨日から何も食べてなかった。
近い距離を高速道路に乗って急いで帰れとの指示なので、運転しながら食べられるものを買うならここしかない。
ここのコンビニのお弁当はスパゲッティーナポリタン以外は私はお腹を壊す。相性がよくない。だから買うものは入る前から決めていた。
ナポリタン、あるかな?
レジにいたのは80歳代半ばぐらいのおばあちゃんだった。
アルバイトではなさそう。私服姿に花柄エプロン。店長さんのお母さんだろうか。お店を手伝ってるんだろうか。そんな感じ。
迷わずスパゲッティーナポリタンを手に取ると、財布を出しながらレジへ。
おばあちゃんがにっこりしながら、聞いてきた。
「あたためましょうか?」
「お願いします」と即答。
「お箸とフォーク、どちらにしましょうか?」
「あっ。フォークで」
「袋はいります?」
「(手を振りながら)あっ。必要ないです」
「400円になります」
金額を言われる前に用意してあったので、ピッタリ出した。セルフレジではなかったので、手渡しで。レシートはいらないと言うと、にっこり処分してくれた。
「あたため、もう少々お待ちくださいね〜」
待ちながら、近くにあった面白い商品を色々見た。
目玉グミキャンディー。買ってみようかなと思ったけど、節約。我慢。
美味しそうなスイーツを見て目を喜ばせる。
電子レンジがメロディーを奏でたので、振り返った。
おばあちゃんが袋を広げていた。
ああ……、また聞き間違えられたか。
私はよく「いりません」と答えたのを「いります」と聞き間違えられるのだ。
すると、おばあちゃんがニコニコしながら言った。
「袋は差し上げますからね〜」
「あっ。ありがとうございます」
なんだろう。私があまりにサクサクと答えたから、すべてにおいて迷いのない気持ちいい客だと思われたのだろうか。それで気に入られ、サービスしてくれたのだろうか。
単に急いでるだけだし、入る前からナポリタンにしようと決めてたし、パスタにはいつもフォークなだけなのだが。
それともこのおばあちゃん、すべてのお客さんに袋をサービスしているのだろうか。
袋はいらないと答えたお客さんでも、『これは袋があったほうがいいわ』と自分が思ったら、サービスしているのだろうか。
店長さんからちょっとブツブツ言われてそう。
時代の波に逆らってる。
でもあったかい心を感じてしまった。
最近のコンビニはセルフレジに自分でお金を入れ、私が「どうも」と言っても店員さんは無視なところが結構ある。
コミュ障な私だが、なんだかおばあちゃんと心で触れ合えたような気持ちがして、ほっこりしてしまった。




