表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載エッセイ】宇宙人のひとりごと  作者: しいな ここみ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

106/490

『言った/言ってない』はやめましょう

 仕事を終わり、16時半に会社に帰ると──


社長「アレ、やってきた?」

私「は?」


社長「言ったでしょ! 帰りにアレやっといてって!」

私「聞いてません」


社長「あー、もう! 明日からしいなさん、関東行きだから、その前にアレやっといたら楽でしょって思って、言ってあげたのに!」

私「明日から私、関東行きなんですか!?(初耳)」


社長「そうよ! だから『その前にアレやっといたら楽だよね?』って言ってあげたら、しいなさん電話で『はい、そうですね』って言ってたでしょ!」

私「あー……」



 そう言えば10日ぐらい前に同じやり取りを電話でしたことがあった。

 どうやら社長はその時のことを今回したと、記憶が混同しているようだ。

 この会社の予定はいつも大概直前になって知らされるので、次の仕事が決まったら大助かりである。私がそれを聞いて覚えていないわけがない。


 私にとっては、とっても重要なことなのだ。


 社長にとってはそれは結構どうでもいいことだ。10日前にしたそのやりとりを『今回した』と勘違いしていても不思議はない。


 とりあえずせっかく今日の仕事終わりと思ってたらもう一個増えた。

 説明すると長くなるので『アレ』と略したが、まぁ20分もあれば終わる仕事である。

 でも、一度車庫に帰ってからでなく、帰りがけにやっとけば、たぶん10分ぐらいで終わってた。



「こないだそういうやり取り、しましたね。今回は聞いてないですよ」と私が言うと──

「こないだじゃないでしょ! しいなさん『はい、そうですね』って電話で言ってたでしょ!」と、社長は10日前のことはどうも覚えていないようだった。


 まぁ、『言った/言ってない』の真相は正直どーでもいいのである。

 ただ、どうせ私がいなくなった後で『アイツは人の話を聞いとらん』と、いつもの悪口を言いふらされているだろうことがムカつく。



 アレを済ませて会社に再び戻り、もう事務所に顔は出さんでいいよなと思いながら、帰りかけると、社長が飛んで出てきた。


「しいなさーん!」

 手を振って私を呼んでいる。


 何事かと思いながら行ってみると──


「関東から帰りの予定、これだから」とプリントを渡された。


 プリントで予定がわかるのはとても助かる。

 渡すのを忘れかけていたらしいとはいえ──




 口頭で『言った/言ってない』では仕事にならない。確たる証拠を残してほしい。

 証拠もなく一方的に私が聞いてないことにされるのでは、ストレスが溜まるだけである。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] こんな嫌な社長がこの世にいるなんて…。 ほんとお疲れ様です(/. _.\)
[一言]  逆に、私は「まえにそう言ってましたね」って、ことにしちゃう(笑)むこうが言ってなくても、言ってたことにすれば「そうだっけ」になるので(笑)  平和な嘘。
[良い点] ここみさまが仕事で振り回されているのが辛い……( ノД`)シクシク… 自分のことよりも腹が立ちますね(# ゜Д゜) ナッくんに皺寄せ来たら大変……。 どうか三億円入った荷物を拾って、一割も…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ