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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

なろうラジオ大賞3

雪だるまおろし 【閲覧注意】

掲載日:2021/12/21

非常にショッキングな内容を含む作品です。お読みになる際はご注意ください。

 猟師の田吾作は猟犬を探し、雪の降り積もった山を一人歩いておった。


「おーい! 太郎吉やーい!」


 大声を張り上げても、かえって来るのは山びこばかり。

 太郎吉の姿は見えない。



 しゃり……しゃり……しゃり。



 どこからともなく音が聞こえてくる。


 音のする方へ行くと、奇妙なものが目につく。

 雪だるまだ。


 何もない雪原に雪だるまがいくつも見える。


「旅の人、お疲れの様子じゃのぅ」


 振り返るとそこにはみすぼらしい老婆がおった。


「誰だ……」

「こわい、こわい。

 そんなものを人に向けてはなりません」


 種子島を向けられた老婆はクスクスと笑う。


「すまん、道に迷ってしまったんじゃ」

「それなら、わしの家へ来るといい。

 一晩宿を取らせてやろう」

「かたじけない」


 田吾作は好意に甘えることにした。


 老婆の家は歩いてすぐの所にあり、囲炉裏には火が付いている。


「旅のお方、空腹じゃろうて。

 遠慮なくお上んなさい」


 老婆は火にかけていた鍋の蓋を取る。

 味噌とコメの粥が入っていた。


「いっ……いいのかい?」

「ああ、ちょっと待て」


 老婆は外へ出て桶を取って来た。


 桶に入っていた雪はほんのり赤く染まっている。

 それを鍋に流し込む老婆。


「ほぉら……できたぞぉ。

 たんとお召し上がりなさい」

「うむ……」


 老婆がよそった味噌汁をすする。

 味はまずまず。


 しかし何か妙だ。

 口の中に何かが絡まる。


「なんだこれは……これは髪の毛⁉

 それに……うひゃああああああ!」


 椀に浮かぶものを見て、田吾作は悲鳴を上げた。

 人間の歯や指が浮かんでいたのだ。


 田吾作は小屋を飛び出した。

 走って行くとさっきの雪だるまが目についた。


 雪が崩れて中身が見える。


 入っていたのは凍った人間。

 顔の半分が何かですりおろされたように欠けている。

 あの音の正体は……。


「まてぇ! まてぇ!」


 老婆が人の背丈ほどもある鬼おろしを担いで追いかけてくる。


 ついに追いつかれてしまった田吾作。

 もうこれまでかと観念した時……。


「わんわんわんわん!」


 はぐれていた太郎吉が現れ老婆の喉元にかみつく。


「ぎゃああああああああ!」

「くそぅ! くたばれぇ!」


 田吾作は冷静に種子島に火をつけ、狙いを定めた。

 放たれた弾丸は老婆の眉間を打ち抜く。


「がっ……が……」


 白目をむいて動かなくなった老婆。

 てっきり物の怪の類かと思ったが、普通の人間のようであった。




 その後、殺された旅人たちを供養する石碑が建てられた。

 今でもそこを通ると何かをすりおろす音が聞こえるそうな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 猫じゃらしさまの活動報告から参りました。 たしかに閲覧注意ですね。 日本の昔話を見ているような気がしました。昔話ってエグいのにエグい描写はあまりないですものね。さらっとしている。このお話もそ…
[一言] 日本昔ばなしのようなホラーでした。 雪だるま、いくつも……すりおろされるのぉ……。°(´ฅωฅ`)°。 太郎吉が唯一の癒しですね。 読みやすくゾッとするホラーをありがとうございました♪
[良い点] 確かに閲覧注意でした。 1000文字ですが怖さはあったと思います。 [一言] 読ませて頂きありがとうございました
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