表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツン100%の君を落としてみた  作者: スクールストライカー
9/13

初めての友達と

評価、ありがとうございます。

とても嬉しいです。



 「よし、今日は友達作るぞー。」

 「はあ、せいぜい足掻いてみてください。ま、まあ、無理でしょうけど。」


 とか言いつつチラチラとこちらを見てくる彩音は、実のところ心配してくれているのかもしれない。

 まあ、それが自惚れでないことを願うばかりだ。


 「今日もいい天気だな~。…あ、そうだこれからピクニックでも行くか?」

 「ん?学校はどうするのですか?」

 「勿論サボるぜ!」

 

 彼女は、「呆れた」と言わんばかりの顔をした。

 

 「お友達作りはどうしたのですか?」

 

 お友達作り、友達作りねぇ。どうしたものか。


 「も、もちろんやるさ、ほ、方法は、学校の校舎裏に連れ出して愛の鞭を使った告白大会?」

 「…はあー、いつの時代ですか。あなた退学ですよ。…いや、私としてはそれはありがたいですが…香里(かおり)ママが悲しまれるでしょうから、やはりサボりも喧嘩もいけません。」


 香里ママというのは俺の母さんだ。

 フンッ、どうにかして母さんと入れ替われないものか…


 「はいはい言ってみただけだよ、ネタとして。」

 「…一体、何が面白いのですか?」

 「・・・・・・」








 ☆★☆


 昨日から目を付けていたやつにする。

 別に、特別な事をするわけじゃない。普通に馬が合いそうだなと、だから――――――


 おっと、これは驚いだ。

 向こうから近づいて来るとは…あまりにも凝視しすぎたか?


 「よぅ、こっちばっかり見て、俺に何かあるのか?」

 「あ、いや、特にそういうのはないが…何で?」

 「うーん、あれだな、正直言ってもいいなら…」

 「気を遣うな、俺とお前の仲だろう?」

 「何がだよ!今初めて話したじゃねえか!」


 ははっ、やっぱり、ノリがいいな。


 「まあまあ、冗談だ。で、何だ?」

 「ああ、びっくりしたぜ。あ、でな、……おまえ、ヤバい目で睨んできたから、俺に恨みでもあるのかと思ってな。」

 「あ~なるほど、俺昔から目つき悪くて評判だからなぁ~。」

 「そうなのか、そんなレベルじゃなかったが…あ、気にしてたことなら悪いな。」

 

 あと、気も遣えるのか…。言うことないな。


 「だから気を遣うな。俺とお前の仲だろう?」

 「いや、さっきから何なんだよ!」

 「ハハハッ」

 「いや、ハハハじゃなくて、…」

 「だがまあ、そんな目つき悪い奴に、よく話しかけに行こうと思ったなぁお前。」

 「それお前ことだよ?…うーん、それに関してはマジで頑張った。」

 「ふむ、さすが勇者じゃ、褒めて遣わす!」

 「ハハー、って、誰!?」

 「俺」

 「知ってる」

 「「・・・・・・」」




 切り出すタイミングとしては、ここが一番いいかな。


 「えーと、倉本(くらもと)だっけ?」

 「へっ?ああ…」

 「俺、友達が欲しくてさ…それでお前の事見てたんだよ。」

 「あー、なるほど、分かったいいぞ。今日の昼、一緒に食べような。」

 「おう!サンキューな」

 「いいって、俺とお前の仲だろう?」

 「お前もか!」


 授業開始のチャイムが鳴ったので席に着くが、正直気が抜けた。

 俺だって、少しは緊張していたのだから、ほっとした。


 


 「彩音ちゃん、俺友だちできたぞ。」

 「・・・・・・」

 

 ん?無視された?

 あれ、そう言えば、どこかこの呼び方がしっくりくると思ったら、小学生に上がる前まではこう呼んでたっけ。



 あ、でもなんかボソボソ言ってるな。


 「なんか言ったか?」

 「……いえ、ただ、嬉しそうなので。」

 「呪っていたと?」

 「…まあ、あながち間違いではないですが…。」

 「間違いではないのか。」

 

 先生に見つからないようにツッコむが、あまりいつもの調子ではない。


 「…その、だから、……」

 「なに?」

 「……わ、わ、わ私も一応友達ですからね。」


 へっ?何?可愛い。


 「…ボッチとしての?」

 

 なんか、急に恥ずかしくなってはぐらかしてしまったが、ふ、不意打ち過ぎる!


 「……バカ」


 

 微かにそう、聞こえたが、反応することができなかった。

 敬語後無くなっている時こそ、彼女の本性だと、知っているから。

 








 


どうでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ