初日で
宜しければ、ブックマークお願いします!
学校初日、それは大切なものである。
俺レベルの者にもなると、そりゃねえ、学校も青春の一部にもなってしまうわけだ。
☆★☆
朝のHR
「しっかし、クラスだけじゃなくて隣の席になるとはなぁ。俺達、運命共同体?」
「ありえません!」
「ん?どうした?彩音、話しかけてきちゃだめだぞ。」
「は、はあ?あ、あなたが話しかけないでください、……独り言です。聞かないでください。吐き気がします。」
チッ、俺の考えた策と同じ策を使われた。
吐き気?吐くなら俺の顔にかけて!……オェェ…確かに、吐き気がするな…
ムムム、次だ!次ぃ!
☆★☆
授業中
「おい、そこ寝ない!」
おいおい、学校初日で寝てるバカが……引く程いるんだが…
先生も大変だなぁ。
はあ、俺は真面目に授業受けるか。
「アーヤちゃん」
ブチッ――――――――
何かが切れる音がした。それが何だか分からないが、直感的にヤバいと思った。
「アーヤちゃん」そう言ったのは誰だ?俺だ!
瞬間――――――――頬に衝撃が走り、視界がぶれましたっ!何故か歯が宙を舞っています。よく見れば、血も。さて、何故でしょうか?
俺はいつも、゛彩音゛と呼んでいた。小学生の時も、中学生の時も変わらず。
だが、そろそろ固有の愛称で呼んでもいいのではないかと思う。
まあだから、まず母さんの呼び方を真似してみたんだけど……結果、思いっきりぶん殴られたようだ。
ちくしょう!
つ、次ぃぃ!
☆★☆
昼休み
あ、やべ、孤立した。
えっと、…どうしよう。中学からの友達……いない、クソッ。
他に誰か、誰かぁぁ――――あ、彩音は?ど、どこだ!
はっ!?他の、じょ、女子と…話してる。
…………お、終わった ガクリッ
つ、つ、次だぁぁぁぁっ!
☆★☆
放課後
俺は、彩音を隣に、トボトボと敗走していた。いや、敗歩か?
言うまでもなく、両者暗い雰囲気を作り出していた。ま、まあ、彩音のは常時だぞ?
「あ、彩音、友達できたか?」
俺は声を絞り出すと、今日の一日の事を思い出す。
う、うわぁぁあ!
ふ、古傷が痛む、ぜ。まあ、すごく新しいけど…
「も、もちろんです?」
「んっ?なんで疑問形なんだよ。」
「あ、あれを友達と言うのか…ははっ」
乾いた笑い声、俺の質問にしっかり答える彼女。
学校以外では話しかけていいのか?
まあ、それはいいとして、何やら聞いてほしそうな言い方だな。
「えっと、…何かあったのか?いじめられたら言えよ?俺がそいつを殺してやるから!」
親指を立てて、ウィンクをかます。
「ぶ、物騒なことを言わないでください。殺しますよ?そ、それと、……何でもないです。」
「顔が暗いぞ~」
「…むぅ、ボッチには言われたくありません!」
「グ、グハッ、血がドバドバ、し、死ぬぅ…」
「死んでください。」
ぴしゃりと言われてしまった。
どことなく、冷たい気がする。
「…ま、言いたくなったら言えよ、…こ、このボッチにな!」
「…言いたくなったら、ね」と呟く顔は、本当に何かありそうだ。
俺に言いにくいもの、か。
ま、本人がいいというのなら聞かないことにしよう。
「あ、どうした彩音、顔が青から赤に変色したぞ!」
「なんで…////////そ、その、あの、一度しか言わないので、き、聞き逃したら死んで償って下さいよ?」
「お、おう!」
「こ、声が大きいです!」
「いや、小さいだろ」
傷の舐め合いの後、イチャつく俺達、
悲しい光景だ。
「えー、その、ありがとうございました。」
「へっ?あ、何が?」
ニヒッと、彼女はかわいらしい笑みを浮かべる。
「ボッチなのに、勇気をもって話しかけてくださったことにです。」
言うな~、彩音じゃなかったら殺してたっ!
でも、可愛いから許すっ!
俺は、改めて決めた。ボッチにならないためにも、青春に本気を出そうと。きょ、今日のは、様子見だ!
棘を取るには骨が折れそうだが、少し、久しぶりに、俺が咲かせた花を見た気がした。
どうでしょうか?
感想,アドバイス等ありましたら、宜しくお願いします!
ブックマーク登録,評価嬉しいです!