家で
ブックマーク宜しくお願いします!
「ただいまー」
「お邪魔します」
玄関を通り、入ってすぐのリビングに向かう。
カバンを適当な場所において、家の中を見渡す。
「あれっ?母さんたちは、まだ帰ってないのか。」
その代わり、ダイニングテーブルには『ご飯、冷蔵庫に入れてあるから。』と言う書置きを見つけた。
二人とも顔を合わせて首をかしげる。
今日は何か予定入っていたか?と思いつつ、移動して冷蔵庫の扉を開ける。
「おお、「ハンバーグ」!」
丁度食べたいと思っていた。
ラッキーなタイムリーだな。
俺達は、今すぐにでも食べるために手分けして配膳をした。
「お味噌汁ありますけど、このままでいいですか?」
「おう」
ふんふっふふーんというような鼻歌を歌いながら温めるのを待つ。
「「いただきます」」
んん~、やっぱりうまいなぁ。舌とハンバーグの肉が溶け合ってどっちが舌かわかんない!
うめぇ~、じゃ、次は、って、冷たっ!
えっ!冷たっ!へっ!
「み、味噌汁が、冷たい!」
ガバっと顔を上げて、彩音を睨む。
一方で彼女は、涼しい顔をして湯気の立っている味噌汁を飲んでいる。
「お、おい!なんで俺の味噌汁だけ冷たいんだよ!ありえんっ!」
はあ?何コイツーと言うような顔をしてくる。
ええぇ!なんでっ!
「……あの、私聞きましたよね。あなたが悪いんですよ。冷蔵庫に入れてあったのですから冷たいのは当たり前でしょう。……話過ぎました。静かに食べてください。耳が腐ってしまいます。」
お、おう、しゅん……
うん、普通に温めなおそう。
食器につけられたものを全て平らげた。
普通に美味しい。
彩音がうちで食べたがるのも頷ける。
すると、鍵が開いて、玄関の扉が開いた音がした。
「「たっだいま~」」
「お帰り」
「お、お邪魔してます。」
母さんたち帰ってきたようだ。
「あ、ご飯食べた?」
「あ、はい!」
「おう」
機械のようにギギギと音を立てるように横を見る。
顔の表情の緩い彼女、俺の視線に気づいたらしく、俺の足を思いっきり踏みつけてくる。その間、笑顔は崩れていない。
「イッタ~イ!」 てへっ!
わざとらしく悲鳴を上げる俺氏。
彼女に向けてウィンク
「えっ!だいじょーぶ?」
「あ、いや、彩音が――「大丈夫です!」」
「ほんと?」
「え、ええ、翔太君、大丈夫だよ、ね?」
怖い怖い、笑顔が怖い!というか誰っ!
キャラクター崩壊してるっ!
「おう、ありがとう彩音。母さん問題ない。」
「あ、でも~」と、続ける。
「手、貸してね。」
「あ、……もう、しょうがないなぁ」
ゲシゲシと踏みつけられる足、やわらかい手に包まれる肩。
まさに、天国と天国……おっと、天国と地獄。
そう、段々とお気づきになっただろう。
彼女、彩音は、母さんの前だと100%デレであるということをっ!
どうでしょうか?
感想,アドバイス等ありましたら、よろしくお願いいたします。