カフェで
「はぁ~うまいな」
「人のおごりは格別です。」
「曲がった根性してんなぁ、おい!……いや、それよりも本当に一番高いものにするとは…。」
あ、…いや、俺も相当根性曲がっていたわ。…てへっ!
「はあ、当然です。まったく、これだから……というか、口の利き方を考えてください。不快です。不愉快です。もう一つ注文します。」
「知らねえよ!って、店員さん呼ぶな、呼ぶな!」
くっ、お、俺の野口さんが……ふ、二人も。
い、今思ったが……いや、クズだと解ってて言うが、デートって、意外と金かかるのだな…。
ほ、ほら、彩音が飲んでいるクリームソーダだって、謎に千円超えるし、原価は絶対十分の一だし、家で作れるし?(偏見だよっ!)
クッソ、税金好きに使えないかなあ~。絶対王政?
ああ、俺、今メッチャ嫌な客だな。もし、心の声が漏れてたら、俺が店員だとしたら絶対皿投げつけるよな。
うん、こういう事考えるの止めよう。
それにしても、この後どうするかねぇ。
飲み物頼んだだけであんまり長居もしたくないし。
こういう時は、どうするのだったか…あんまり思い出せない。
まあただ、一つ忘れちゃならないことはしっかり楽しまなければならないという事。
デートに慣れたいわけじゃなくて、彩音とのデートがしたいのだから。
「なあ、彩音、少しそれ飲ませて貰ってもいいか?」
やっぱり、こういう時は定番だよな。別に何十回、何百回したか覚えてないけど。
「ええ、まあいいでしょう。それと、今更ですけど彩音と呼ぶのはやめてください。気持ち悪いです。キモいです。今すぐ消えてください。」
「あっそ、んじゃ、いただきます。」
彩音が咥えていたストローで、メロンソーダをのどに流す。
なんか、……この言い方だと何故かエロく感じてしまいがちだが、実際やっているのはただの体液こうか…じゃなくて、間接キスだ。
全く問題ない。むしろ健全。毎回するべき!
「うまっ、ありがと?」
正直言って味は分からなかったが、多分おいしいだろう。俺、炭酸ジュース好きじゃないけど。
メロンソーダの入ったジョッキ?を元の位置に戻す。
「////////そ、そうですか、一生感謝してください。そ、それと、変なこと考えていたら死んで償ってください。」
間接キス程度で照れる彩音を横目に、「一生ねぇ~」と呟く。
顔を赤面した彼女が抱く気持ちに気づくことも……この時は考えずに。
どうでしょうか?
感想,アドバイス等ありましたら、宜しくお願いします!