表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セイバーズ!  作者: 津る
9/25

ラピア

しかし、2つの強大なエネルギー体は何一つ破壊することなく露と消えた。


「?」


「もういい!私がやる!」


「ぐおああああああああああああ!!!!!」


「ピギャアアアアアアアアアアアアアーーーーーー!!!!!!!」


カティアの念動力による圧力で、1人と1羽は圧死した。


「す、すごい。カティアさん!助かりました。」


「ダラダラと戦いを長引かせやがって!このへっぽこが!」


「面目ない。1対1ならなんとか出来たんですがね。」


「言い訳するな!次、あんな戦いをしたらキ○タマを握りつぶすぞ。」


「す、すみません。」


「セイバーズのお荷物めが!」


カティアはそう言いつつ、川上の火傷に手を添えた。

すると、川上の火傷は跡形もなく消えた。


「ありがとうございます。」


「足手まといめ。」


「…」


どうやら、カティアにはツンデレの素質があるようだ。


「とりあえず、基地へ戻るぞ。」


「はい。」


「今日は、3体も抹殺出来たのだから良しとしよう。まあ、全部私の手柄だがな。」


「力になれず、すみません。次こそは結果を出します。」


カティアは川上を睨み付けた。

「出来もしないことを、軽々しく口にするな。薄っぺらく感じるぞ。」


「…っ」

川上は返す言葉もなかった。


「まあいい。明日から追加メンバーが来るからな。」


「!」


「今後はそいつに期待するとしよう。」


基地


「オマエら。さっさと寝ろよ?ただでさえ弱いってのに、寝不足だと目も当てられないぜ。」


「はい…おやすみなさい。」


「…おやすみ。」


〈…これからどうしよう。ミキさんは、俺に伸びしろがあると言ってくれたけど…………〉


〈さくらんぼちゃんやカティアさんは、本当に強いと思う。俺なんて、特殊な力もない上に、肉弾戦も飛び抜けて強いわけじゃない。〉


〈こんな俺でも、ちょっと前まで自分のことを、世界で一番強いと思っていた。〉


〈だけど、それは俺の思い上がりだった。俺は凡百な男だったんだ。〉


〈…………〉




翌朝


「…」


さくらんぼが、川上の部屋の前に佇んでいた。


「お、おはよう。」


「おはよう。」


「とりあえず、飯でも食べようか。」


「そうする。」


食堂


「いや~。これだけ食べても2000円ってすごいなあ。」


「すこし、たりない。」


「えっ?あれ?2500円?」


「…」


「ちくしょー!いつの間に値上げしたんだ。」


「さいれんとねあげ。」


「君たちがセイバーズだね?」


2人の前に男が現れた。

銀髪で長身のそこそこハンサムな男だった。


「そうですけど…」


「僕の名前はラピア。27歳、みずがめ座。よろしく。」


〈なんでこの人、星座まで言うんだろ。〉


「俺は川上卓郎。25歳、てんびん座。よろしくお願いします。」


「さくらんぼ。16、おとめ座。よろしく。」


「卓郎、さくらんぼ。彼がセイバーズの新メンバーよ。」


「あっ、ミキさん。おはようございます。」


「おはよう。卓郎、さくらんぼ。」


「おはよう。」


「ラピアは今朝、カティアがテレポートで連れてきたのよ。」


「ああ。そう言えば、昨日カティアさんが追加メンバーが来るって言ってたなあ。」


「ちなみに、カティアは例の如く、テレポ疲れでぐっすり寝ているわ。」


「では、本日はミキさんも一緒に来てくれるんですか?」


「いいえ。ラピアがいるからその必要はないわ。」


「きっぱり断られた…つ、冷たい。」


「私は機械だから当たり前でしょ。」


「そんなあ。」


「ふふ。冗談よ。3人とも、気を付けるのよ。」


「はい!」


「では、早速行こうか。」


砂漠地帯


「ここで厄介な敵と戦ったんですよ。カティアさんがいなければ、死んでいたかもしれません。」


「へえ。なかなかスリリングな場所のようだね。」


「でも、ラピアさんがいるから心強いですよ。」


「そこまで期待されると困っちゃうなあ。」


3人は砂漠地帯を抜けて森の入り口に到着した。


「ここまで、人っ子一人いなかったな。」


「だが、この森には何かがいそうだな。2人とも、気を抜くなよ!」


ラピアが2人に声をかけた。


「はい!」


3人は森に足を踏み入れた。


「うーむ、人の気配は感じないな。」


「ぐあっ」


ラピアが声を上げた。


「大丈夫ですか?」


ラピアの腕には、生々しい切り傷があった。


「一体どこから攻撃を?」


〈こんな時にカティアさんがいれば…いや、だめだ。こんな弱気では、カティアさんに大事な所を破壊されてしまう!〉


川上は覚悟を決めた。


「!!」


突然!3人の足元からツタが現れ、一瞬にして川上たちは拘束されてしまった。


「ぐおおおおおおおおお!!!!!!」


川上は、力技でツタを外そうとしたが、無駄だった。

ガチガチに縛り上げたツタの上から、更に何重にもツタが絡みついていた。


ビッ


何かが川上の顔を横切った。


「うっ」


川上の頬に傷が付いた。


「なんだ?」


謎の物体が飛んで行った方向をよく見ると、カマキリが3人に向かって威嚇のポーズをとっていた。


「これは…アイツの仕業か!」


「あんな虫けらに翻弄されるとはね。」


「フロストミサイル!」


ラピアが仕掛ける。


と○がりコーンサイズの氷柱が、カマキリに向かって発射された。

しかし、氷のミサイルがカマキリに届くことはなかった。


「くそっ、全て叩き落とされたか。」


カマキリはツタを自在に操り、ミサイルから身を守った。


「ぐあああああっ!」


カマキリは、ラピアを拘束しているツタを更に強く絞めつけた。


「くっ…」


〈ラピアさんの飛び道具も通用しない、さくらんぼちゃんも首飾りを外せないから、石化させることも出来ない。〉


「万事休すか。」


川上は今度こそ死を覚悟した。

しかし




「さくらんぼ☆くりすたるれんずすないぱー」


さくらんぼの、両目から発射された極細レーザーによって、カマキリは木っ端微塵になった。

同時にツタの拘束も弛み、3人は解放された。


「さくらんぼちゃん。ありがとう。」


「助かったよ。さくらんぼ。」


「れいにはおよばん。」


「…カティアさんのモノマネ?」


「しかし、あんな技を隠し持っているとはね。」


「きのう、できるようになった。」


「これが成長期ってやつか。10代の底力は恐ろしい…」


ぬっ


3人の前に熊が現れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ