さくらんぼ対ラピア
「ラピアさんの弟がこんなことをするとは…」
「! 急いでさくらんぼの所に行くぞ!」
「え?」
「ラピアがさくらんぼの命を狙っているかもしれん!」
「ラピアさんが?」
「あり得ない話ではないぞ!はなっから私たちを殺すことが目的だったとしたら…」
さくらんぼ家
「ふしゅー。着いたぞ。」
「カティアさん。大丈夫ですか?」
「それよりさくらんぼは?」
「!」
3人の目に飛び込んできたのは
大量の血を流し膝をつくラピアの姿と、涼しい顔で突っ立っているさくらんぼの姿だった。
「さくらんぼちゃん。無事でよかった。」
「たくろう、かてぃあ、おじいちゃん。どうしてここに?」
「オマエがラピアに狙われてるからだよ。」
「けど、心配はいらなかったようですね。」
「ああ、既にケリは付いたようだぜ。」
「ぐっ…確かにさくらんぼの体を粉々に砕いたはずだが…」
「ラピアさん、そんなひどいことをしたんですか…」
「…わたしたちいちぞくは、いしにしたあいてのじゅみょうと、いのちをうばうことができる。」
「さ、さくらんぼちゃん。それ、反則級に強いね…」
「ふうー。じゃあ、君を何度も殺さないといけないってことか。」
「寝ぼけたことを抜かすな。いくらオマエでも、さくらんぼには敵わないだろう。」
「いいや違うね。カティア、僕には切り札があるのさ。」
ラピアは傷口を凍結させて止血し、立ち上がる。
「オプティカルフラッシュ!」
ラピアは青白い光を放った。
「うっ、なんだ。目眩ましか?」
「サウザントスピア!」
ラピアは全方位に氷柱を発射した。
「ぐああ!」
川上、カティア、川井の3人はモロに喰らってしまった。
「ガハッ!2人とも…大丈夫ですか?」
「心配には及ばん。」
「問題ない。あの手の攻撃の威力はたかが知れている。それより…」
「ええ。さっきの攻撃、全く見えなかった。」
〈オプティカルフラッシュ…この光を見た者は感覚神経の動きが鈍くなり、周りの時間が早く経過するような錯覚を起こす。結果的に、僕の動きに全く付いてこられなくなる。〉
「つまり、相手が誰であろうと一方的になぶり殺しに出来るということだ。」
「この時の為に温存していた、とっておきの技だよ。」
「しかし、さくらんぼは大したもんだ。予めバリアを張って、守りを固めていたとは。」
ラピアはさくらんぼの後ろに回り込んだ。
さくらんぼは3人の方を向いていた。
「ふっ。他人の心配をするより、背後に気を配るべきだったね。」
「さあ。2度目の死ださくらんぼ。この一撃は、命を凍らせる究極の一撃だ。バリアを張っていようが関係ないよ。」
「メガデスフリーズ!」
「これで2回殺した。さて、さくらんぼが復活する前に3人を始末しておこう。」
「奥義!メイドインアッパー!」
川井がラピアに猛チャージし、アッパーを繰り出す。
「ゴハァ!!!!」
しかし、ラピアのカウンターに反応できず、返り討ちにされてしまった。
「ふん、他愛もない。」
「ぐっ!」
ラピアの体が氷の槍で貫かれた。
「さ、さくらんぼ?君はまだ動けないはず…」
「さっきらぴあがこおらせたのは、わたしのげんえい。」
「!」
「わたしたちいちぞくの、もうひとつのちから。」
「それは…じぶんをころしたあいてのちから、のうりょくをじぶんのものにできるというもの。あなたのちからも、わたしがもらった。」
「な、なんだと!?」
「このまえ、わたしはきょうりゅうのこうげきをうけていちどしんだ。それからいっきにつよくなった。」
「いっておくけど、わたしはいちども、ほんきをだしたことがない。」
「くっ!化け物…!」
「ちがう、わたしはあくまだ。」
「来るな!メガデスフリーズ!」
「さくらんぼ☆いんふぇるの」
地獄の業火がラピアを襲う。
「ぐあああああああ!!!」
「おぷてぃかるふらっしゅ」
「!! くそっ!僕の切り札まで!」
「だれもわたしにかてない。」
「くっ!」
「…どうやら、今度こそケリが付いたようだぜ。」
「川井さんがやられたと思ったら、いつの間にかラピアさんが石化していた。」
「今回もさくらんぼが美味しい所を持って行ったな。」
「さくらんぼだけに、美味しいってことですね。ブッ!!!ぐひひ!!!」
「…」
「卓郎。それ、酔っぱらってても許されないレベルだぞ。」




