カティアとの再会
三日後
「久しぶりだな、卓郎。」
川上の前にカティアが現れた。
「おい!なにボーっと突っ立ってるんだ。」
「カティアさん!?助けてください!」
「ほらよ。」
カティアは、川上の体に付着していた黒い塊を念動力で引っぺがした。
「なんだ?またお化けでも出たのかよ。」
「助かった…ありがとうございます。このまま餓死するところでしたよ。」
「礼には及ばん。しかし、この小娘は誰なんだ?」
「3日前、買い物から帰ってきたらこの娘が俺んちの前にいて、俺に気づくなり、いきなり襲い掛かって来たんです。」
「奴らの残党か。しかし、こんなガキにボコられるとは情けない奴だな。オマエは。」
「そんなこと言わないで下さいよ…この娘、でたらめな強さだったんですから。正直、カティアさんでも敵わないと思いますよ。」
「負け犬が偉そうに言うな。…しかし、なんでそんなに強い奴と戦ったオマエは無事なんだ?」
「とどめを刺されそうになった時、急に動きが止まったんです。」
「確かに、瞬き1つしていないな。…! こいつは!」
「どうしたんですか?」
「こいつの顔に見覚えがあるぞ?確かうちの組織にいた機械兵だ。」
「…つまり、こいつは裏切り者ってことですか。機械でも自分の意思で裏切ることがあるんですね。」
「いや、自ら裏切ったわけじゃない。おそらく敵に捕獲されてプログラムを書き換えられたんだろう。」
「なるほど。」
「プログラムを書き換えただけではなく、凶悪な改造までされている。恐ろしい技術力だ…」
「ええ、とんでもない強さでしたよ。」
「幸い敵のリーダー、クシロに慢心があったおかげで機械兵の改造、量産はされていなかったようだが。」
「ええ、もしそうなっていたら危なかったかもしれませんね。」
「まあ、弱点はあるようだが。機械兵は通常バッテリーの寿命が4、50年くらいだが、こいつは想定を超えたエネルギーの使い方をしてしまい、あっという間に機能停止してしまった。」
「つまり、俺の粘り勝ちってことですね。」
「たまたま運が良かっただけだろ?」
「はは、ところで今回は何のご用で?」
「ああ、その前にオマエの体力を回復してやろう。」
「ありがとうございます。」
「礼には及ばん。」