表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
セイバーズ!  作者: 津る
14/25

川上卓郎の底力

「い、いつの間に…まさか、今のは砂漠の男の技か…」


「なんてことだ!頼みの綱のさくらんぼちゃんまで…」


「今、俺の目の前にいるのは、あの3人でも全く歯が立たなかった相手。」


「それに、まだクシロも残ってる。」


川上は絶望していた。


恐竜は、心底憐れむような目で川上を見ていた。


「くそっ!コケにしやがって!」


川上は恐竜に飛びかかり、鼻頭を思いっきり殴りつけた。


「…………」


まるで効果なし。

川上は叩き落とされてしまった。


「ぐばぁ!」


川上は気力を振り絞り、立ち上がる。


「今の一撃、なんて強烈なんだ…」


恐竜は川上の様子をうかがっている。


「くっ!やけくそだ!」


「トリプルサラマンダー!」


「さくらんぼ☆じぇのさいど!」


「グレイテストフロストミサイル!」


「念動力!」


川上の声が空しくこだました。


黒い球体が出現し、七色の炎をまとった。


「ここまでか。」


「…いや、命を懸けて戦った仲間たちの為にも!俺はまだ諦めるわけにはいかない!」


川上の目に生気が宿る。


「アルファにいる両親の為にも…!」


「俺も超古代人の血を引いているんだ。俺にも力があるはずなんだ!」


「ここでその力を発揮できなければ何の意味もない!」


「なんでもいいから目覚めてくれよ!!!」


突如。飛来した隕石が恐竜に直撃し、凄まじい衝撃波が発生した。


地形が変わり、辺り一帯は更地になった。


「うぐおおお!!!」


川上もかなり吹っ飛ばされた。


「はぁはぁ…今のは…俺の力なのか?」


川上は、これまでに感じたことのない疲労を感じていた。


「…ああ。きっとそうなんだろう、この消耗具合。」


「ふう。しかし、土壇場でとんでもないものを繰り出せたな。」


「流石にあの化け物でも、これはひとたまりもないだろう。」


岩石が崩れる音とともに、恐竜が起き上がった。


「!!」


「あいつ!生きてやがる!しかも、さっきよりゴツくなってないか…」


恐竜の表皮が硬質化し、鎧のように身を守っていた。

恐竜はほとんどダメージを受けていないようだ。


「くそっ!さっきのを繰り出せるほど、体力は残っていないぞ!」


「今度こそ終わりだ。何も打つ手がない!」


川上は死を覚悟した。


次の瞬間。

恐竜の前に3人の人影が現れ、恐竜は石化した。


「!」


そして3人は川上の目の前に降り立った。


「みなさん!無事だったんですね!」


「ああ。凄まじい衝撃を感じたと同時に、砂の拘束が緩んだんだ。」


「その隙に、テレポートでさくらんぼとラピアを回収し、体力を回復させて地上へ出た。ということだ。」


「なるほど。とにかく3人とも無事でよかった!」


カティアは辺りを見渡した。


「卓郎。これはオマエがやったのか?」


「ええ、土壇場で奇跡を起こしました。」


「ふん。オマエにはここまで散々足を引っ張られたが、最後の最後に命を救われるとはな。」


「ですが、勝利を決めたのは4人のチームワークですよ。」


「君たち、肝心な奴がまだ1人残っているよ。」


「おっと、すっかり忘れていた。流石ラピア、抜け目がないな。」


「さあ、奴の居場所へテレポートだ。」


「その前に卓郎を回復させてからな。」


基地周辺


「ふうー。少し疲れたな。」


「あれだけの激戦、3人の体力回復に加えてテレポートだからな。」


「カティアさん。ここは俺たち3人に任せてください!」


「ああ、気を抜くな。あいつはもうじきここへ来るぞ。」


4人の前にクシロが現れた。


「噂をすれば。」


「君たちが何故ここにいるんだい?ああ、あいつに敵わず逃げて来たんだね。」


「違う、俺たち4人で倒したんだよ。」


「ほぇー。あれほど完成度の高い兵器を倒したのかい。」


「正直驚いたよ。僕が作った連中が束になっても敵わない化け物だったのに。」


「だけどこの僕は倒せないよ。」


「お前1人で何が出来る!」


川上が殴りかかるが簡単にいなされてしまう。

ラピアも背後から氷の剣で斬りかかるが、片手で受け止められた。


「さくらんぼ☆ばにしんぐ」


さくらんぼの攻撃もかわされる。


「フロストレーザー!」


クシロは飛び上がって光線をかわす。


「チャンスだ!3人とも、身を守ってください!」


「あ、ああ。」


「アイスビルディング!」


「バリアー!」


隕石が飛来し、空中にいたクシロに直撃する。

そのまま地面に衝突し、凄まじい衝撃波が発生した。


「す、すごい…」


3人は呆気に取られていた。


川上の体も、氷と念動力の壁によって守られており、無傷だった。


「最後は俺が決めましたよ。」


「凄まじいものよの…」


「…」


「大したもんだ。卓郎。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ