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セイバーズ!  作者: 津る
12/25

快進撃

「…ねんのため。」


「ん?」


さくらんぼが呟いた。


「さくらんぼ☆ぶれいざー」


さくらんぼは、超高温の熱風を放射した。

森はあっという間に炎に包まれ、燃え尽きた。


「さ、さくらんぼちゃん。君は一体、いくつの武器を持っているんだ…」


「ふふふ。」


さくらんぼは得意げに笑った。


「いいぞ、さくらんぼ。生き残りがいた可能性もあるからな。」


「それに、鬱陶しい森も消えて視界も良好だ。」


〈でも、これって環境破壊なんじゃ…〉


川上は心の中でツッコミを入れた。


4人は、さっきまで森があった場所を抜けた。


「敵の本拠地まで、目と鼻の先だ。気合い入れろよボンクラども!」


カティアが発破をかける。


4人の前に女が現れた。


「ほう、4人相手にいい度胸だな。」


「ふう。なるべく女の人に手を出したくないけど仕方ないね。」

ラピアが前に出る。


〈散々動物たちを痛めつけてきて、今更何を言ってるんだこの人。〉

川上は再び心の中でツッコミを入れた。


「フロストミサイル!」


氷のミサイルが、女をめがけて集中砲火された。

しかし、それらは女に命中する前に破裂した。


「バリアか。」


「リップルストライク」


女は弾丸のように涙を飛ばしてきた。


「アイスビルディング!」


ラピアは氷の障壁でガードを固めた。

しかし、女の涙は氷の壁を突破しラピアに襲い掛かった。


「がはっ」


氷の壁により威力は落ちていたが、それでもラピアに傷を負わせる程の威力だった。


「ちっ、厄介だな。さくらんぼ、オマエがやれ。」


カティアは痺れを切らし、さくらんぼに任せることにした。


さくらんぼは首飾りを外し、女を睨み付けた。


「ふぅー。助かったよ。さくらんぼには、助けてもらってばかりだな…ありがとう。」


「れいにはおよばん。」


「なんだそれは。私のマネか?」


カティアは怪訝な顔をした。


「スキあり!」


突然女が現れ、さくらんぼに襲い掛かった。


「くそっ。油断した。」


カティアが念動力で女を拘束する。


「もう手遅れだ。そいつには猛毒を注入しておいた。いくらお前らでも、すぐに体の自由がきかなくなって死んでしまうぞ。」


「な、なんてことだ!さくらんぼちゃん…」


「私はここでお前らに殺られるだろうが、厄介な能力を持つそのガキを潰せたのは、軍事的功績と言えるだろう。」


「さくらんぼ、私が解毒するからな。」


「…」


「ムダだ。解毒が終わるより先に、そいつは死ぬ。」


「…」


しかし、さくらんぼは汗一つかかず、涼しい顔をしていた。


「…さくらんぼちゃん、平気なのか?」


「へいき。」


「ば、ばかな。化け物なのか、このガキは…」


「ちがう、わたしはあくま。」


「くっ、ならばお前をっ!」


女はカティアに突撃する。

しかし。


「さくらんぼ☆ばにしんぐ」


女は塵と消えた。


「さくらんぼちゃん、本当に大丈夫なの?」


「へいき、わたしにどくはきかない。」


「そ、そうか…」


〈この娘はチートすぎる。〉


「む?」


4人の前に紫色の物体が出現した。


「ちっ、次から次へと。」


「なんだコイツは。」


そいつはまるでゴーストのような姿をしていた。


「こんな弱そうな奴が襲い掛かってくるとはな。笑えるぜ。」


「雑魚は任せてください!」


川上は紫色の物体に殴りかかる。

しかし、川上の拳は物体をすり抜けた。


「げっ!見た目だけじゃなくて、しっかり幽霊の性質を持っているのか。」


「あーあ。ありゃあ卓郎に勝ち目がないな。」


「どうしてだい?まだ戦闘は始まったばかりだよ。」


「ラピア、知らないのか?アイツは殴る蹴るしか出来ないんだぜ。」


「ぜつぼうてき。」


「ファントムスラッシュ!」


巨大な斧で卓郎は薙ぎ払われた。


「ぐああ!痛てえ!」


「ゴーストゼリー!」


紫の物体は黒い塊を発射した。


「うう…」


「セイバーズの面汚しめ!」


「僕も加勢するよ!フロストレーザー!」


しかしこれも効果はなかった。


「やはり物理攻撃は無駄か。」


「震えが止まらない…」


川上は体がすくんで動けない。


「わたしに、まかせて。」

さくらんぼは首飾りに手をかける。


「待て、さくらんぼ。私がやる。」


カティアは、念力で川上の体に付着した黒い塊をひっぺがし、紫色の物体にぶつけた。


「オオオオオオオオアアアアアァァァァ!」


紫色の物体は、断末魔を上げてかき消えた。


「ふん。他愛もない。」


「カティアさん!助かりました!」


「おう。無事だったかお荷物くん。」


「うっ。」


「さっさと行くぞ。」


「ああ。本丸はすぐそこだ。」

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