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ヤルキ、アンノカ!!?
「私の叔父が本当に、よく働く人でな、私が子供の時、ぶっきらぼうに、うちに来て『いやー、今日の昼、カツ丼とカレーセットを食べといて良かったわ』と、放心状態でボヤキ……」
「俺のグリーコーゲン ローディングは完璧です」
「だったら、どうして勝てない!!??」
コーチは、急に声をアラゲタ。
「…」
「おまえよ、そりゃ、この先、この世界は、あるんだろう……それで毎年、マラソンの世界チャンピオンが誕生するとしてだな、そのスタートラインに立てる者が、走れたら皆、そうなのか?おい!?」
コーチは、言うだけ言って、黙った。
でも、
まだ、何か、ずっと言いたそうな顔をしていた。
でも、静まり返っているロッカールームに、
「お前がカーボローディングきてることは百も承知なんだよ…じゃあ、行くわ…」と言い、去ろうとした。
その時、マラソン世界選手権に出場確定している男が言った。
「ベスト尽くしますよ!次もベスト尽くします!俺向きのコース以外、ナニモノデモナイ!」
「知ってる、全部、分かっているからな…」
コーチは、そう笑って去っていき、残された男は歯を食い縛った。