僕の話ではない。
妄想ってやつさ。
よく分からないトコロで、少年を見る。
それを、僕は、自分の何か家系の人だったら、と本当に思った。
何ヵ月後かに、地元の公園で遠目に一人の青年を見た。
その青年は、前に見た少年の成長した姿だったと僕は思ったんだ。
誰からも決して嫌われない風貌だと僕は、思った。そう成長して、タイムマシンで、僕の見えるトコロに来たのさ。
『しっかり者の男』ってかんじで、確かに僕には、まるでない要素をメインに醸し出して、彼は、ある意味、僕を遥かに越えたろうが、僕と何かを話すとすると彼は萎んでいくような気がする。
今日の帰り、全く面識のない男性を、たまたま見掛け、僕の『何か』だと思ったが、それ以上、妄想は膨らまなかった。
僕は今、君に、何人の他人の話をした?
「男性二人」
その通り。
ただ、見掛けたっていうのがリアルに起きただけで、それだけの話だよ。
君、僕の家系の子孫だよね!?
とか、
大きくなったね♪
または、
貴方は、私の何なんですか?
なんて、決して僕は声は掛けていない。
「分かったよ、兄貴、それらは、もう充分だ…。」
俺は、そう言った。
結局だ。
俺は、兄に、タイタニックみたいだった♪話を、どこかで聞けるだろう、と少なからず期待していたのだ。
兄らしい、というのは、俺の兄に対する願望以外、何者でもなかった。
俺は、この時、でも、心の奥底で、何かホンワカ暖かいものがあった。