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ディートリヒ様が来られました。

私の一つ上で既に学院に通っていらっしゃるようですが今日は私のためにわざわざ来られたそうです。

ええ、来なくて結構ですよとは言えなかった。

ディートリヒ様はディートリヒ・シャル・ハイレント、この国、ハイレント王国の第3王子です。

魔力もさることながら扱える属性は多く、第3王子ではあるがこの国の王太子様でいらっしゃいます。

ディートリヒ様のお兄様方はディートリヒ様がお生まれになったことで王子を支える臣下としての教育を受けられることになっております。

なんでそんな高貴なお方が私の婚約者かといいますとシュナがそれを望んだから。

プラチナブロンドの髪に、エメラルドを取り入れたかのような素敵な瞳。

そんな美貌から放たれる甘い言葉の数々にシュナはやられたようです。

その後のシュナの手回しはすごかった。お父様に直談判し、ディートリヒ様の婚約者という立場を手に入れました。

そんなことはどうでもいい。

今はこの状況をどう打開するかだ。


今は私の屋敷の薔薇が見えるテラスでお茶をしているところです。


「シュナ嬢はいつ見ても素敵ですね。思案に暮れるお顔も素敵です。」

「殿下に褒められるような容姿ではございませんわ。」


薔薇園ではアマーリエとのイベントが起こるのでそこには行かないようにしたい。

そう思い、薔薇園のほうを見ると何やら金色の髪が見えたような。

いやな予感がします。

目に魔力を移し、視力を強化してみますとそこにはやはりアマーリエが。

にしても、シュナの記憶がおかしいと言っています。

最近のアマーリエは薔薇園なんて一度も行くことがなかったと言っております。


「シュナ嬢は私のことよりも薔薇のほうに夢中のようだ。」

「いえいえ。そんなことありませんわ。殿下の美貌には薔薇園も廃れて見えますわ。」


やばいです。ディートリヒ様の興味が薔薇園にいってしまう。

そう思った時には遅かったです。

ディートリヒ様に薔薇園に行こうと声かけられてしまいました。


仕方なく薔薇園に向かいます。

薔薇園は庭師であるトムが大切に育ててくれているだけありたくさんの薔薇が見ごろを迎えておりました。

殿下がアマーリエの方に行くのを拒まなければ。

そう思い方向転換しようとすると髪が薔薇に引っかかってしまいました。


「シュナ嬢の髪はとてもきれいで薔薇たちも嫉妬しているようだね。」


あれ?このセリフって。

確か殿下がアマーリエと出会い、隠れようとしたアマーリエに殿下が掛ける言葉では?

何故私に?

そうこうしてると殿下がアマーリエを見つけてしまったようです。

私の破滅フラグが立ってしまうと思ったのですが、殿下はアマーリエには興味がなかった様子。


「そこの君、そんな風に花を触っては花を傷めさせてしまうだろう。」


何故か髪を薔薇に引っ掛けようとしていたアマーリエはそう注意され私を睨んでおりました。

その後も心配したことは全く起きず、というかイベントの続きを私が味わうような形でディートリヒ様来訪イベントは終了となったのです。

どうして、こうなった。

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