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髪を結い終えた私は食事の間に向かう。

そこには既にお父様と養母様、そしてアマーリエもいた。


「おはようございます。遅くなってしまい申し訳ございません。」

「大丈夫だよ。シュナ。朝から大きな声が聞こえたけれど大丈夫かな。」

「心配をおかけして申し訳ございません、お父様。ちょっと夢見が悪かっただけですわ。」


養母様は私とお父様のやり取りを微笑ましいものを見るような目でこちらを見ている。

侍女だったころの癖が残っており私とお父様の話に割って入ることはない。

執事に椅子を引いてもらい、私は席に座る。


「シュナ、15歳の誕生日おめでとう。私からのプレゼントだ。」


席に座るのを見計らいお父様からプレゼントが渡される。

そうか、今日は私の15歳の誕生日か。

15歳の誕生日、何かあったような・・・・・。

あっ・・・・・。

15歳の誕生日といえばヒロイン、アマーリエがディートリヒ様と初めて出会うイベントがある日。

いきなりイベントですか、これは回避したい。

そんなことを考えながらお父様からのプレゼントを開く。

お父様からのプレゼントはネックレスであった。瞳と合わせた宝石、エメラルドがあしらわれたシンプルなネックレスである。


「お父様ありがとうございます。とても素敵ですわ。カトレア、付けてくださる?」


早速つけさせてもらう。今日の服装にも合うようなネックレスで私はとても嬉しかった。

つけてもらいお父様に見てもらおうとそちらに視線を移すとお父様が信じられないものを見るような顔でこちらを見ていた。


「オリヴィア、私は夢でも見ているのだろうか?あのシュナがお礼を言ってくれている!!」


そうだった。シュナは極度のツンデレで大好きなお父様にもお礼など言ったりしなかった。確かに驚くよね。

でも、シュナの記憶が言っている。消えることになるのならばはっきりと自分の気持ちを言えばよかったと。そんなシュナの気持ちは大事にしたい。私は私であり、シュナトリーゼでもあるのだから。それにお礼も言わないなんて私にはできない。

ちなみにオリヴィアとは養母様のことだ。


「旦那様良かったですね、喜んでもらえて。シュナトリーゼ、私からもプレゼントがありますわ。」


養母様からは名前の刺繍が入ったハンカチだった。


「養母様、ありがとうございます。大切にしますね。」

「お母様!!私には何もなしですか⁉」


よくわからないことを言っているのはアマーリエである。

シュナの記憶では最近のアマーリエは変なところがあるようだ。


「あら、アマーリエ。あなたは誕生日ではないでしょ。変な子ね。」


家族の中でも少し変わった感じとイメージが付き始めているようだ。

アマーリエの恨めしそうな視線を感じながら私は食事をとり始める。

さて、この後のディートリヒ様のイベントをどうするか。

ディートリヒ様も私の誕生日を祝いに来るのだから回避はできない。

対策を練らねば。

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